不倫後の夫婦関係を再構築|心構えと具体的な方法を解説
配偶者の不倫が発覚した場合、離婚するべきかそれとも夫婦関係を再構築するべきか、悩む方は少なくありません。
本コラムでは、夫婦関係を再構築する場合に焦点を当て、そのメリットや再構築方法、再構築を後悔しないために行っておきたいことなどについて詳しく解説します。
1. 不倫後の再構築で関係をやり直せる?
不倫後も夫婦関係を続けていくことは容易ではありません。しかし、状況によっては再構築するメリットがあり、再構築が成功するケースもあります。
(1)不倫後の再構築とは
再構築とは、夫もしくは妻の不倫後、離婚をせずに夫婦間の関係を修復し、再度夫婦としてスタートを切ることを言います。
再構築することを決断しても、裏切られた側の傷はなかなか癒えるものではありません。ささいなことで配偶者の不倫の記憶がフラッシュバックしたり、疑わしいことがあると「また浮気しているのでは?」と疑心暗鬼になったりと、想像以上に精神的負担がかかります。
(2)再構築のメリット
しかし、再構築にもメリットはあります。自身に安定収入がなく、主に配偶者の収入で生活している場合、離婚を避けることで経済的な不安を回避できます。また、関係を再構築することで、子どもに精神的負担を与えることも避けられます。さらに、名字や住所も変える必要がなく、これまでどおりの生活を続けられるため、世間体も保(たも)つことができます。
(3)再構築が成功するケースとは
配偶者に家庭を壊すつもりがなく、不倫相手とも遊びの関係なら別れやすく、不倫をされた側も配偶者をゆるす気持ちを持てるでしょう。お互いにまだ愛情があればより再構築のハードルが下がるかもしれません。また、子どもの親としては尊敬できる、あるいは共同でビジネスを行っているなど、夫婦以外の関係性がある場合も再構築が成功しやすいと考えられます。さらに、不倫相手とはもう接触しない、もし接触した場合は違約金を支払う、など不倫をした配偶者に誓約書を書かせることで不倫相手ときっぱり別れられ、再構築が成功するケースも多いです。
2. 再構築を成功させるための6つの方法
夫婦間の信頼関係を回復させるには、以下のようなルールや方法が有効です。
(1)不倫の話は極力蒸し返さない
関係を再構築しても、ことあるごとに不倫の話を蒸し返されては、夫婦関係もぎくしゃくしてしまいます。再構築すると決めたからには、もうそのことで相手を責めないと覚悟する必要があります。
(2)夫婦間のコミュニケーションをおろそかにしない
夫婦間のコミュニケーションが乏しいと、相手も寂しさを感じてまた不倫してしまうかもしれません。再構築した後は、以前より夫婦間のコミュニケーションをしっかり取ることを心がけましょう。
(3)不倫をされた方にも非があった場合は改善する
過去に自分も不倫をしていた、別居していた、夫婦の営みがない、夫婦間の会話が少ないなど、配偶者の気持ちが離れるような言動がなかったか、いま一度かえりみることも必要です。もし不倫される原因が自身にもあった場合には、改善することで関係が修復しやすくなります。
(4)お互いのスケジュールを細かく共有する
不倫後は相手が何をしているのか分からないと、また浮気しているのではないかと疑いを抱きやすくなります。それを防ぐためには、お互いのスケジュールを共有することが重要です。帰りが遅くなるときは連絡を入れて理由を説明し、なるべく休日は一緒に過ごす時間を設けましょう。
(5)スキンシップをはかる
夫婦関係を再構築するには会話などのコミュニケーションとともに、適度なスキンシップをはかることも大切です。夫婦の営みだけでなく手をつないだり、ハグをしたりして愛情を伝えることで、関係を良好に保つことができます。
(6)心理カウンセラーなど第三者に相談する
再構築がうまくいかないようなら心理カウンセラーなど第三者に相談するのもひとつの手段です。第三者が入ることで夫婦間の問題を冷静に見つめ直せ、スムーズに関係修復できる可能性が高まります。
3. 不倫後の再構築で後悔しないための5つ方法
再構築すると決めたからには、不倫した事実を教訓に、配偶者に同じ過ちを繰り返させないようにすることが重要です。
(1)不倫をした原因をしっかりと聞き出す
不倫の原因を曖昧にしたまま関係を再構築すると、また同じ過ちを繰り返す可能性があります。配偶者から不倫の原因をしっかりと聞き出し、夫婦間の問題が原因ならば改善することで、不倫の再発予防になります。
(2)浮気相手と接触させない
再構築のためには、浮気相手との接触を断つことが非常に重要です。連絡先を消去するのはもちろん、同じ職場であれば、仕事以外の接触はしない、2人きりでない集まりにも極力参加しない、など約束をさせましょう。もし浮気相手に家族がいる場合には、相手の配偶者にも不倫の事実を明らかにするという方法もあります。双方で相手の行動に注意を払うことで、再発予防につながります。
(3)不倫の事実を義家族に伝える
義両親が理解のある相手なら、不倫の事実を報告し、過ちを繰り返さないよう監視してもらうのもよいでしょう。人によっては配偶者からより、親から一喝される方が反省する人もいます。ただ、親の中には子どもの味方をする人もいるので、その場合には不倫の事実を伏せておいた方が賢明です。
(4)誓約書(公正証書)を書いてもらう
「浮気相手と二度と接触しない」と配偶者が言っても、口約束だけでは撤回されてしまう可能性もあります。関係を再構築する際は配偶者と話し合った内容を、誓約書(公正証書)にしておきましょう。誓約書には浮気相手と接触した場合の違約金なども記載できます。言った、言わない、のトラブルを避けるためにも、話し合って決めた内容は書面に残しておくことをおすすめします。
(5)不倫相手や配偶者に慰謝料を請求する
不倫により精神的苦痛などを受けた場合、不倫相手や配偶者に慰謝料を請求することも可能です。慰謝料を請求することで、相手も不倫を続けることにリスクを感じるため、不倫の再発の予防にもなります。
ただし、慰謝料を請求すれば相手からも請求されるおそれがあります。また、配偶者に慰謝料を請求することで精神的な溝ができ、関係の再構築が難しくなることもあるため、弁護士などの第三者を入れた話し合いで穏便に済ませた方がよい場合もあります。
不倫した配偶者との関係構築には、二度と不倫が行われないよう、誓約書を書いてもらうなどの対策を講じると効果的です。誓約書のような公正証書の作成や、慰謝料の請求には、法律のプロのサポートがあると便利です。離婚だけでなく、配偶者との関係を再構築したいと考えている方も、一度弁護士に相談してみるとよいでしょう。
- こちらに掲載されている情報は、2024年05月24日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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