不倫と浮気はどう違う? 慰謝料請求が可能なケースについて
  • 2022年05月31日
  • 離婚・男女問題

不倫と浮気はどう違う? 慰謝料請求が可能なケースについて

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

パートナーが別の異性と恋愛関係になることを「不倫」「浮気」などと呼びます。

「不倫」と「浮気」の違いが気になる方もいらっしゃるかもしれませんが、どちらも法律上の用語ではなく、法律的な観点からは実は両者の違いにさほど意味はありません。むしろ、法的な着眼点は別に存在するため、ポイントを押さえて対応することが大切です。

今回は、不倫と浮気の違いや法律上の意義、さらに不倫相手(浮気相手)に対する慰謝料請求についての基礎知識を解説します。

1. 不倫と浮気の違いは?

不倫と浮気の違いを議論することは、実は法的には意味がありません。それよりも大切なのは、配偶者の行為が「不貞行為」に該当するかどうかです。

(1)「不倫」「浮気」はどちらも法律上の用語ではない

一般的には、結婚している人が配偶者以外の異性と恋愛関係になることを「不倫」と呼びます。

これに対して「浮気」は、結婚しているかどうかにかかわらず、特定の異性と交際関係にある人が、別の異性と恋愛関係になることを指すと考えられます。

特に結婚している人が配偶者以外の異性と恋愛関係なった場合、「不倫」「浮気」のどちらにも当てはまり得るので、両者の区別が気になる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、民法その他の法律において、「不倫」「浮気」という用語は全く用いられていません。つまり、配偶者の行為が「不倫」に当たるか、それとも「浮気」に当たるかという議論は、法的には無意味なのです。

(2)法律上は「不貞行為」に当たるかどうかが重要

法的には、配偶者の行為が「不貞行為」に該当するかどうかがもっとも重要です。

「不貞行為」とは、夫婦の貞操義務に違反して、配偶者以外の者と肉体関係を持つことを意味します。

したがって、不貞行為に当たると認められる条件は、以下の2点となります。

  1. 結婚していること
  2. 配偶者以外の者(男性・女性を問わない)と肉体関係を持ったこと

不貞行為が認められた場合、法律上の離婚事由(民法第770条第1項第1号)に該当するほか、後述するように、不法行為(民法第709条)に基づく慰謝料請求の対象にもなります。

よって、配偶者の行動を不審に思った場合、不倫なのか浮気なのかを考えるのではなく、法律上の「不貞行為」に該当するかどうかを検討することが必要です。

2. 不倫・浮気相手に対して慰謝料請求はできる?

パートナーが不倫や浮気に走った場合、不倫・浮気相手に対して慰謝料を請求したいと考えるのは自然な流れでしょう。

不倫・浮気相手に対する慰謝料請求の要件および手段は、以下のとおりです。

(1)「不法行為」に当たれば慰謝料請求が可能

不倫慰謝料(浮気慰謝料)は、民法上の「不法行為」(民法第709条)に基づいて発生します。したがって、不倫・浮気相手に慰謝料を請求するには、不倫・浮気相手の行為が「不法行為」に該当することが必要です。

不倫・浮気のケースにおける不法行為成立の要件は、以下のとおりです。

①不貞行為が行われたこと

前述のとおり、結婚している者が、配偶者以外の異性と肉体関係を持った事実が必要です。

これに対して、婚姻関係や婚約関係になく、単に交際関係にあるというだけの場合には、貞操義務違反にはなりませんので、通常、不法行為に基づく慰謝料請求権は発生しません。

②配偶者が結婚していることを不倫・浮気相手が知っていたこと、知らなかったことに過失があること

不倫・浮気をした配偶者が殊更に既婚者であることを隠したり、未婚であるとだましていたような場合には、既婚者であると知らなかったことに過失がないとして、不法行為が成立せず、慰謝料請求が認められない場合があります。

③請求者に精神的損害が発生したこと

慰謝料の金額は婚姻期間の長さ・不貞行為の頻度・子どもの有無などによって変化し、相場は100万円~300万円程度です。不貞行為により離婚することになった場合や、不貞行為により子どもができた場合には、金額が増加する傾向にあります。

(2)不倫・浮気相手に対して慰謝料を請求する手段

慰謝料請求の手段には、主に「交渉」と「訴訟」の2つがあります。

①交渉

不倫・浮気相手と直接協議し、慰謝料額について合意する方法です。

②訴訟

裁判所に訴訟を提起し、不法行為(不貞行為)を証拠によって立証して、慰謝料請求を認めてもらう方法です。

3. 慰謝料請求を検討する際の注意点

不倫・浮気相手に対して慰謝料を請求する際には、以下の各点に注意して請求を進めることが大切です。弁護士に依頼すれば、以下の点を含めてポイントを押さえた対応が可能ですので、早い段階で弁護士に相談してみることをお勧めいたします。

(1)不貞行為の証拠を十分に収集する

示談交渉・訴訟のうちどちらの手続きを選択する場合でも、不貞行為の動かぬ証拠を収集しておくことは非常に重要です。

確たる証拠があれば、不倫・浮気相手も観念して慰謝料支払いに応じる可能性が高いですし、裁判所からも不貞行為の事実が認定されやすくなります。

不貞行為の証拠としては、現場写真等の直接的なものに加えて、配偶者と不倫・浮気相手の間のメッセージなども利用できますので、詳細は弁護士にご相談ください。

(2)配偶者と離婚しない場合は「求償」に注意

被害者は、不倫・浮気相手に対して、被った精神的損害の全額を慰謝料として請求できます。

しかし、配偶者と離婚をしないケースでは、後に責任割合に応じて、配偶者が不倫・浮気相手から「求償」を受ける可能性があります。配偶者が求償を受けた場合、結果的に家計からお金が流出してしまうので注意が必要です。

交渉の際にも、求償分を考慮して慰謝料の金額が決められるケースが多いので、適正妥当な金額で合意を成立させたい場合には、弁護士への相談をお勧めいたします。

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