- (更新:2024年09月05日)
- 離婚・男女問題
連れ子に養育費を支払う必要はある? 離婚するときの注意点
ステップファミリーという言葉をご存じでしょうか?
夫婦の一方または両方が前婚の子どもを連れて再婚したときに生じる家族の形態のひとつであり、その数は日本でも増加傾向にあるといわれています。
しかし、もしその再婚を解消、つまり離婚することになったときには、連れ子に対する養育費の支払いはどうなるのでしょうか?
1. 離婚した場合、連れ子の養育費は支払う必要がある?
結婚した相手に連れ子がいた場合、その相手と離婚するときには連れ子の養育費を負担しなければならないのでしょうか?
(1)連れ子との関係
連れ子のいる再婚では、連れ子と再婚相手との間には、法律上の親子関係が当然に生じるわけではありません。法律上の親子関係を生じさせるためには、連れ子と再婚相手との間で「養子縁組」を行う必要があります。
たとえば、元夫との間に生まれた子どもの親権者であるAが、Bと再婚したとします。子どもとBが同じ家で生活し、実の親子同然に仲が良かったとしても、養子縁組をしていなければ、法律上は親子として扱われません。
反対に、子どもとBの関係が良好とはいえなかったとしても、養子縁組をしていれば、法律上の親子として扱われます。その結果、扶養義務や相続権などの権利義務が発生することになります。
(2)養子縁組したままなら養育費の支払いが必要になる
養育費は、未成年の子どもに対する親の扶養義務にもとづいて、収入に応じて負担すべきとされている費用です。連れ子と養子縁組をしていない場合には扶養義務を負わないので、離婚後、養育費を支払う必要はありません。
一方、連れ子と養子縁組をしている場合には法律上の親子として扱われるので、養子縁組を解消しなければ、離婚後も養育費の支払い義務を負います。つまり、連れ子との養子縁組をしたままでいる場合のみ、離婚後に連れ子の養育費を支払う義務が生じるのです。
2. 連れ子と離縁する方法は?
配偶者の連れ子と養子縁組している場合には、夫婦の離婚と同時に、連れ子との養子縁組も解消(離縁)するのが一般的です。
しかし親同士が離婚しただけでは、養子縁組を解消することはできません。離婚手続きとは別に、次のような方法で離縁する必要があります。
(1)協議離縁
協議離縁とは、養子縁組の当事者が話し合って離縁する方法です。
養子が15歳以上であれば、養親は、養子本人との話し合いで離縁の合意を得ることができます。一方、養子が15歳未満であった場合は、離縁後に養子の親権者となる方が代理人として離縁に合意することになります。
双方が離縁に合意すれば、離縁届を作成して市区町村役場に届け出ることで、協議離縁が成立します。
(2)調停離縁
相手が話し合いに応じないなど、協議離縁が難しい場合は、家庭裁判所に離縁調停を申し立てて解決を図ることができます。申立先は、相手方の住所地または当事者が合意して決めた場所の家庭裁判所です。申立時には、申立書とその写しのほかに、養親と養子の戸籍謄本や、離縁後に養子の親権者となる方の戸籍謄本などが必要になります。
離縁調停では、調停委員を交えて、合意を目指した話し合いが進められます。当事者が合意できた場合には調停離縁が成立し、合意できなかったときには調停不成立となります。調停離縁が成立した場合は、調停調書とともに離縁届を市区町村役場に提出します。
(3)裁判離縁
調停不成立の場合には、離縁訴訟を起こして裁判離縁を求める方法があります。ただし裁判離縁は、法律で定められた離縁原因に該当すると判断される場合にのみ認められます。
法律で定められた離縁原因は以下のとおりです(民法第814条)。
- 相手から悪意で遺棄されたとき
- 相手の生死が3年以上明らかでないとき
- その他縁組を継続しがたい重大な事由があるとき
連れ子の親と離婚することが離縁原因にあたるかどうかは、「その他縁組を継続しがたい重大な事由があるとき」に当たると判断されるかどうかによります。連れ子の親との離婚だけでは離縁原因にはあたらないと判断されることも考えられますので、連れ子との離縁は、まずは話し合いによる解決を目指すことが望ましいでしょう。
3. 連れ子がいる離婚の注意点とは
配偶者の連れ子と養子縁組している場合には、離婚が成立するまでに離縁についても話し合いを進めておくことが大切です。離婚届と離縁届を同時に提出することができれば、離婚後に相手との連絡が取れなかったり、話し合いに応じてもらえなかったりするリスクを回避することができます。
- こちらに掲載されている情報は、2024年09月05日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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