
不倫で慰謝料請求したい! 弁護士の選び方や費用相場を解説
配偶者の不倫が発覚し、「自分で慰謝料を請求したい」と考えている方に注意していただきたいことがあります。
自分で不倫の慰謝料請求を行う場合、慰謝料請求に失敗してしまうケースがあるのです。
本コラムでは、不倫の慰謝料請求を弁護士に依頼するメリットや弁護士費用について解説します。
1. 不倫の慰謝料請求を自分で行うリスク
不倫の慰謝料請求を自分で行うこと自体は可能です。しかし、自分で慰謝料請求をすることでデメリットが生じる場合もあるので注意が必要です。
自分で慰謝料請求する場合のリスクについて詳しくみていきましょう。
(1)自分で慰謝料請求する場合の方法とメリット・デメリット
慰謝料は、配偶者と不倫相手それぞれに対して請求する権利があります。
自分で慰謝料請求する場合の2つの方法を、それぞれのメリット・デメリットもあわせてご紹介します。
①口頭
配偶者と直接慰謝料について話し合ったり、不倫相手に電話口、あるいは呼び出して直接慰謝料について話し合ったりして、慰謝料の金額や支払い方法について決めるのが「口頭による慰謝料請求」です。
口頭による慰謝料請求には、以下のメリットがあります。
口頭による慰謝料請求のメリット
- 書面や裁判に比べて早期に解決できる可能性がある
- 費用がかからない
- 相手はその場で対応しなければならないことで、勢いで示談に応じてもらえる可能性がある
一方、口頭による慰謝料請求には、以下のデメリットがあります。
口頭による慰謝料請求のデメリット
- 記録に残らないことから、後に相手に「慰謝料を払うと言っていない」と言われてしまっても水掛け論になってしまう
- 相手の口が立つ場合、言い負かされてしまう可能性がある
- 相手と揉めてトラブルになる可能性がある
②書面
別居している配偶者や不倫相手には、内容証明郵便を利用して慰謝料を請求し、その後メールやSMS(ショートメッセージサービス)、書類などで慰謝料の金額・支払い方法を決めていくのが「書面による慰謝料請求」です。
書面による慰謝料請求には、以下のメリットがあります。
書面による慰謝料請求のメリット
- 慰謝料についての交渉の記録が残る
- 相手に返答するまでに時間があるため、作戦を立てる余裕がある
- 内容証明郵便を送ることで相手に心理的プレッシャーを与え、示談に応じてもらえる可能性がある
一方で、書面による慰謝料請求には以下のデメリットがあります。
書面による慰謝料請求のデメリット
- やり取りに時間がかかるため、長期化する可能性がある
- 相手にも作戦を立てる時間や、弁護士に相談する時間を与えてしまう
- 書面から正しい意図が伝わらず、争いが拗れる可能性がある
- 請求を無視される場合がある
このように、自分で慰謝料請求をする場合は口頭と書面どちらの請求であっても、メリット・デメリットがあるのです。
また、そもそも請求の事前準備として重要な証拠の収集・整理、交渉がまとまらず裁判になった場合の裁判手続きなど、自分だけで行うと難しいこともあるでしょう。
(2)自分で慰謝料請求をして失敗してしまうケース
自分で請求を行おうとしても、失敗してしまうケースもあります。
たとえば以下のようなケースです。
- 証拠不足が原因で慰謝料請求が認められない
- 口頭で「支払う」と約束したのに支払いが履行されなかった
- 知識不足が原因で慰謝料請求が難航し、長期化したため諦めてしまった
- 相手に請求を無視され、その後の対処法がわからず慰謝料請求を諦めてしまった
このように、自分だけで慰謝料請求を行おうとしても証拠不足や知識不足などが原因で失敗してしまうことは少なくありません。
そこで、不倫の慰謝料請求をする際には弁護士に依頼することをおすすめします。
2. 不倫で慰謝料請求したい|弁護士依頼で知っておくべきこと
慰謝料請求を失敗しないためにも、弁護士に依頼することが重要です。
弁護士に依頼するために知っておくべきことを解説します。
(1)慰謝料請求での弁護士の選び方
まずは弁護士の選び方です。
不倫の慰謝料請求のために弁護士を選ぶ際は、以下のポイントを押さえましょう。
- ①不倫・浮気、離婚問題の解決実績が豊富な弁護士に相談する
- ②足を運びやすい場所にある弁護士事務所にする
- ③複数の弁護士事務所に相談に行く
①不倫・浮気、離婚問題の解決実績が豊富な弁護士に相談する
弁護士によって得意な分野は異なります。
不倫問題や、それと合わせて離婚を検討している場合は離婚問題に詳しい弁護士に相談することが大切です。
事務所のホームページに掲載されている弁護士の案件解決実績や、執筆した法的コラムなどを確認し、不倫問題や離婚問題の解決実績が豊富な弁護士を選び、相談をしましょう。
②足を運びやすい場所にある弁護士事務所にする
弁護士に依頼すると、面談や手続きのために弁護士事務所に出向く必要があります。
電話やビデオ通話でやりとりをすることが可能な事務所もありますが、弁護士事務所で話すことで、たとえば集めた証拠の有効性をその場で判断してもらうことも可能です。
駅から徒歩で通える、自宅から車で近いなど、できれば通いやすい立地の弁護士事務所を選ぶようにしましょう。
③複数の弁護士事務所に相談に行く
自分に合った弁護士と出会うためには、複数の弁護士事務所に相談に行くこともおすすめです。
複数人と話すことで、自分との相性を比較検討できます。
自分に合った信頼できる弁護士に依頼するためにも、複数人に相談したうえで依頼する弁護士を決めましょう。
(2)弁護士に依頼するメリット
弁護士に依頼することで、先ほど解説した自分で慰謝料請求をする場合のデメリットを払拭することができます。
具体的には以下のとおりです。
- 証拠収集のアドバイスを得られるため有効な証拠をもとに慰謝料請求できる
- 適切な請求額での交渉ができる
- 不倫相手と顔を合わせなくていい など
(3)弁護士に依頼する前の準備
弁護士に依頼する前に、以下の準備をしておきましょう。
- ①証拠を収集する
- ②事実関係を整理する
- ③自分の希望をまとめる
- ④弁護士に質問する内容を考える
①証拠を収集する
慰謝料請求には有効な証拠を収集しておくことが重要です。「不倫なんてしていない」と相手に否定された時や、裁判に発展した場合に証拠が必要になります。
特に、裁判では裁判官に自分の主張を認めてもらうためにも、証拠が必要不可欠です。
弁護士に依頼するときに証拠を持参すれば、証拠をもとにケースに応じた慰謝料金額の相場を教えてもらうことや、証拠が不十分だとわかった場合のアドバイスをもらうことも可能です。
具体的な有効な証拠は、以下のとおりです。
- 肉体関係を示す写真や動画
- 不倫を認める会話の録音やメール、手紙などのやりとり
- ラブホテルの領収書やクレジットカードの明細書
- 興信所や探偵事務所の報告書 など
②事実関係を整理する
法律相談できる時間は30分から1時間程度と限りがあります。限られた時間を有効に使うためにも、あらかじめ不倫が発覚する前後の夫婦関係や現在に至るまでの事実関係を整理しておきましょう。
③自分の希望をまとめる
慰謝料の金額は「配偶者と離婚するかしないか」によって異なります。そのため、まずは「配偶者と離婚するかしないか」を決めておきましょう。
また、慰謝料は配偶者と不倫相手の双方に請求することが可能ですが、配偶者だけ、あるいは不倫相手だけに請求することも可能なため「慰謝料を誰に請求するのか」も決めておくことも大切です。
その他にも、相手からの謝罪や不倫相手の引っ越し・転職を求めたいといった「慰謝料以外に相手に求めることがあるか」ということについても、自分の希望をまとめておくと良いでしょう。
④弁護士に質問する内容を考える
事前に質問したい内容を考えてメモなどにまとめておくことで、質問漏れを防ぐこともできます。
「慰謝料はいくらになるのか」や「弁護士費用はいくらか」、「持参した証拠は有効か」など質問を考えておきましょう。
(4)慰謝料請求は時効に注意
慰謝料請求権は、一定の期間が経過すると時効にかかり消滅してしまいます。
慰謝料請求権の時効は、配偶者の不倫(不貞行為)と不倫相手を知った時から“3年間”、不貞行為があった時から“20年間”です。
時効の完成前に慰謝料を請求するためにも、早期に弁護士へ依頼する必要があるでしょう。
3. 慰謝料請求での弁護士費用の相場
慰謝料請求を依頼する場合の弁護士費用の相場や、費用を抑えるポイントを解説します。
(1)弁護士費用の内訳とその相場
弁護士費用の主な内訳は以下のとおりです。
- 相談料(法律相談のときに支払う費用)
- 着手金(弁護士に依頼する時に支払う費用)
- 成功報酬(弁護士に依頼した案件の成功程度に応じて支払う費用)
- 日当(弁護士が裁判に出た場合などに発生する費用)
- 実費(交通費や郵送料などの費用)
相談料の相場は30分 5000円ですが、初回の法律相談無料を行っている弁護士事務所もあります。
交渉の着手金の相場は10〜30万円程度、成功報酬は10〜20%が相場です。
(2)弁護士費用を抑えるには
弁護士費用を抑えるためには、「早期に依頼する」、「無料相談を活用する」の2つが重要なポイントになります。
早期に依頼することで、調停や裁判に進まず、交渉の段階での解決の可能性が高まることから、調停や裁判になった場合よりも費用を抑えることができるでしょう。
また、初回の無料相談を実施している弁護士事務所を利用することで、弁護士費用を多少抑えることができます。
なお、費用が安い事務所に相談するという方法もありますが、報酬を上乗せされている場合や、日当が高い場合もあるため注意が必要です。
4. 慰謝料請求での弁護士相談の流れ
初回相談から解決までの大まかな流れをご紹介します。
-
初回相談
まずは初回相談をします。依頼する弁護士が決定した後に、初回の面談を実施し、配偶者や不倫相手に請求する内容を決めましょう。
-
慰謝料請求
請求内容の決定後、慰謝料を請求します。
-
話し合い
いよいよ相手との話し合いです。弁護士に依頼をすれば相手との交渉を任せられます。
交渉がまとまれば、示談書や公正証書(公証人の作成する公文書)を作成して慰謝料問題解決です。
弁護士に依頼をするかでお悩みの方も、まずは初回無料などを利用して、ぜひ弁護士に相談してみてください。
- こちらに掲載されている情報は、2025年03月14日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
お一人で悩まず、まずはご相談ください
離婚・男女問題に強い弁護士に、あなたの悩みを相談してみませんか?
関連コラム
-
- 2025年04月18日
- 離婚・男女問題
-
- 2025年03月28日
- 離婚・男女問題
-
- 2025年03月19日
- 離婚・男女問題
離婚・男女問題に強い弁護士
-
-
-
長瀬 佑志 弁護士
弁護士法人長瀬総合法律事務所 牛久本部
常磐線 牛久駅 東口 徒歩1分
*お車でご来所される場合は、事務所近くのコインパーキングをご利用いただけますようお願い申し上げます。
https://nagasesogo.com/office/ushiku/- 当日相談可
- 24時間予約受付
- 全国対応
- ビデオ相談可
- 初回相談無料
当日相談は可能な限り対応しています。まずはお電話でお問い合わせください。
-
-