- (更新:2025年01月10日)
- 離婚・男女問題
慰謝料を請求されたが払えない! お金がないときの対処法を解説
夫婦が離婚する際、ご自身が有責配偶者の場合、配偶者から離婚慰謝料を請求されることがあります。
また、ご自身が不倫をしているケースでは、不倫相手の配偶者から不倫慰謝料を請求される場合や、ご自身が既婚者であればご自身の配偶者から不倫慰謝料を請求される場合もあります。
しかし、慰謝料を請求されても経済的な問題から支払えない場合もあるでしょう。
本コラムでは、お金がなくて慰謝料が支払えない場合の対処法について解説していきます。
1. 慰謝料が払えない場合の対処法とは
慰謝料が払えない場合の対処法は、主に以下の3つあります。
- 減額をお願いする
- 分割払いをお願いする
- 親や親族に立て替えてもらう
それぞれの対処法について詳しくみていきましょう。
(1)減額をお願いする
まだ慰謝料額について合意をしていないタイミングであれば、相手方に「減額をお願いする」という対処法もあります。
請求される慰謝料額は、その後の交渉に備えて相場よりも高めに設定されている場合がほとんどです。そのため、適正金額まで減額できるように、相手方と減額交渉することが重要です。
以下に該当する場合は、減額が認められる可能性があるケースです。
- 請求された金額が相場より高い
- 不倫期間、不貞回数が少ない
- すでに社会的な制裁を受けている
- 真摯に謝罪をしている
- 経済状況が悪い など
(2)分割払いをお願いする
慰謝料額や支払時期について話し合いを行っている最中であれば、分割払いをお願いすることも一つの方法です。
相手が慰謝料の一括払いを求めてきた場合であっても、交渉次第では分割払いに納得してもらえるケースもあるのです。
相手に分割払い納得してもらうために、示談交渉では以下のような内容を提案してみましょう。
- 一括払いの場合より慰謝料金額を高くする
- 支払いが遅れたら違約金を支払う
- 合意内容を「強制執行認諾文言付きの公正証書」にする
分割払いにできるのであれば一括払いの場合よりも総額が高くなるということであれば、相手方にもメリットを感じてもらえることもあるため、合意の可能性があります。
また、支払いが遅れた場合に備えて「違約金を支払うこと」や「強制執行を受けること」を約束しておくことで、相手の未払いへの不安を和らげることができ、分割払いに納得してもらえる可能性が高くなるでしょう。
また、既に慰謝料の金額や支払時期に合意したものの、その後に支払いが難しくなったという場合にも、そのまま払わずにいるのではなく分割払いのお願いをすることも一つの方法です。相手方も支払われないよりも、少しずつでも回収していくことを希望することも多く、分割払いで合意し直すことができる場合もあります。
(3)親や親族に立て替えてもらう
既に金額を合意したものの、期限までに自分で支払えない場合には、「親や親族に立て替えてもらう」ことも考える必要があります。支払わずにいると訴訟や差押えの可能性がありますので、早急に対処する必要があります。
親や親族に一度立て替えてもらって被害者への慰謝料の支払いを済ませたうえで、立て替えてもらった金額を親や親族に返済していくのです。
この方法であれば、消費者金融でお金を借りるよりも、「少ない利子」あるいは「無利子」で借りられる可能性が高くなります。
ただし、親や親族には慰謝料を立て替えなければならないという法的な義務はありません。従って、親や親族に立て替えをお願いするときは、真摯(しんし)にお願いをすることが大切です。
2. 慰謝料を払わずにいるとどうなる?
慰謝料を支払えない場合の対処法について解説してきましたが、慰謝料を払わないでいると、どうなるのでしょうか?慰謝料についてまだ合意をしていない場合と、すでに合意をした場合を分けてご説明します。
(1)慰謝料についてまだ合意していない場合
相手から請求された慰謝料について、支払いができないからと無視していると、相手から慰謝料を請求する訴訟を提起される可能性があります。
訴訟が提起されると、精神的な負担もかかり、訴訟費用や弁護士費用などの金銭的な負担も発生します。また、訴状は自宅に届きますので、家族に知られてしまう可能性が高くなります。
また、相手からの請求に対して真摯に対応しなかったと評価され、訴訟の中での和解協議が困難になる可能性や、裁判において裁判官に「反省の態度がみえない」と評価されて慰謝料の増額理由となる場合もあります。
(2)慰謝料についてすでに合意した場合
この場合には、以下のリスクがあります。
1. 訴訟を提起される可能性
慰謝料について合意して当事者間の合意書を作成した場合に合意どおりに支払わないでいると、相手方から合意書に基づいて支払いすることを求める訴訟が提起される可能性があります。自らが署名押印した合意書がある場合には、支払いを命じる判決がなされる可能性が高いと言えます。その際には利息も加算されます。
支払いを命じる判決が出た場合には、次の②のリスクもあります。
また、訴状が自宅に届きますので、家族に知られてしまうリスクがあります。
2. 給料や財産を差し押さえられるおそれ
慰謝料についての合意を「支払いが滞れば強制執行を受ける」旨の執行認諾文言付きの公正証書としていた場合や、慰謝料について調停調書や判決書がある場合、これに基づいて給料や財産を差し押さえられる可能性があります。給料の差押えがなされる場合には、職場に知られてしまうリスクがあります。
このように、お金がないからといって慰謝料請求を無視した場合や、約束した慰謝料を払わない場合には、さまざまなリスクがあることを留意しておきましょう。
3. 慰謝料を払えないときは弁護士に相談を
慰謝料を払えない場合、まずは弁護士に相談するのがおすすめです。
弁護士に相談することで示談交渉へのアドバイスを受けられるほか、弁護士が代わりに示談交渉することで、慰謝料を減額してもらえる可能性が高まります。具体的な事情によっては、慰謝料を支払う必要がない場合もあるでしょう。
また、示談交渉が成立し、真摯に対応することで裁判を回避できる可能性が高まるため、慰謝料支払いにお困りの場合は、無視をして裁判を起こされるリスクを避けるためにも、早めに弁護士に相談するようにしましょう。
- こちらに掲載されている情報は、2025年01月10日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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