自己破産の流れ、メリットとデメリットは?
  • 2022年06月22日
  • 借金・債務整理

自己破産の流れ、メリットとデメリットは?

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

自己破産は、債務整理の中でもっとも強力な手続きですが、その反面多くの注意点が存在します。

メリット・デメリットの観点から、自己破産と他の手続きを比較して、ご自身の状況にあった債務整理手続きを選択してください。

今回は、自己破産の手続きの流れ・メリット・デメリットを解説します。

1. 自己破産とは? 手続きの流れ・所要期間

自己破産は、財産の処分と引き換えに、債務の全額を免除してもらう手続きです。借金問題を抜本的に解決できる強力な手続きで、債務総額が大きい人や、収入が安定していない人などに向いています。

(1)自己破産の手続きの流れ

自己破産手続きの流れは、大まかに以下のとおりです。

①弁護士への依頼・受任通知

弁護士が自己破産を受任すると、債権者に対して受任通知を発送します。受任通知の発送以降、債権者からの取り立てはストップします。

②破産手続き開始の申し立て・開始決定

申立書類を整えたうえで、裁判所に破産手続き開始の申し立てを行います。申立先は、債務者が営業者であるときはその主たる営業所の所在地、営業者でなかったり営業所を有しない場合は、普通裁判籍の所在地(通常は住所地)を管轄する地方裁判所です(破産法第5条第1項)。

申し立てを受けた裁判所は、以下の要件をすべて満たすことを確認した場合、破産手続き開始決定を行います(破産法第30条第1項)。

  • 債務者が支払い不能であること(破産法第15条第1項)
  • 破産手続きの費用が予納されたこと(破産法第30条第1項第1号)
  • 申し立てが不誠実にされたものでないこと(同項第2号)

なお、破産財団をもって破産手続きの費用を支弁できず、かつ免責不許可事由(破産法第252条第1項各号)が存在する疑いがない場合には「同時廃止」となり、破産手続き開始の決定と同時に手続きが終了します。

③債務者財産の換価・処分

同時廃止の決定がなされない場合(管財事件の場合)、破産管財人が選任されたうえで、債務者財産の換価・処分を行います。換価・処分の状況については、債権者集会において債権者に報告されます。

④債権者への配当

債務者財産の換価・処分が完了したら、債権者に対する配当を行います。ほとんどの場合、配当金は債務総額に対して大きく不足することになりますが、債権額に応じて各債権者に配当金を交付します。

⑤免責手続き

債権者への配当が完了したら、債務者に対する免責審尋が行われます。破産管財人の調査の結果、免責不許可事由が存在しなければ、裁判所が免責許可決定を行います。

これに対して、免責不許可事由が存在する場合には、裁判所が債務者の振る舞いなどを観察して、裁量免責(破産法第252条第2項)を認めてよいかどうか判断することになります。

(2)自己破産にかかる期間

自己破産は、裁判所を通して行う手続きのため、工程は若干複雑であり、ある程度長い期間が必要です。

平均的には、弁護士への依頼から6か月程度ですが、財産が多い場合や債権者が多数の場合には、もう少し長い期間がかかるでしょう。

2. 自己破産をする際の注意点は?

自己破産は、債務の全額を免除する強力な手続きである一方で、債務者に多大な影響を与えてしまいます。

そのため、本当に自己破産してよいか、他の債務整理手続きを選択すべきではないかなどについて、事前に弁護士までご相談ください。

自己破産をする際の主な注意事項は、以下のとおりです。

(1)財産が処分されてしまう

自己破産をすると、一部の自由財産を除いて、債務者の財産はすべて処分されてしまいます。

特に、車やマイホームを所有している方は、自己破産をするとそれらを手放さなければならない点に注意しましょう。

(2)事故情報が登録される

自己破産をした場合、個人信用情報機関のデータベースに事故情報が登録され、一定の間、新規借り入れやクレジットカードの利用などができなくなります。

事故情報が登録されるデメリットは、個人再生や任意整理といった他の債務整理でも共通なので、債務整理をする前に事故情報登録によるデメリットを覚悟しておきましょう。

(3)家族に秘密にしておくことは難しい

自己破産は裁判所で行われる手続きですので、債務者は裁判所に何度か足を運ぶ必要があります。

また、同居の家族の収入に関する資料を提出する必要があったり、自宅の財産が処分されたりするケースもあるので、家族に秘密のまま自己破産の手続きを進めることは困難でしょう。

(4)職業制限が発生する

各種士業(弁護士・公認会計士・税理士など)や警備員など、自己破産によって資格制限が生じる職業があります。

もし資格制限の対象職種に就いている場合には、自己破産によって一時的に配置転換を迫られたり、最悪の場合、現勤務先を退職しなければならなくなったりするおそれがあるので注意が必要です。

弁護士JP編集部
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  • こちらに掲載されている情報は、2022年06月14日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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