自己破産を2回以上できる? 知っておきたい条件や注意点
過去に自己破産をしたことがあったとしても、さまざまな理由から再び多額の借金を抱えてしまうことがあります。そのような場合、2回目の自己破産は認められるのでしょうか。また、認められるとしてもどのような条件で認められるのかが気になるところです。
今回は、2回目以降の自己破産の可否および条件などについて解説します。
1. 2回目の自己破産をするための条件
過去に自己破産をして免責を得たことがあるにもかかわらず再び自己破産を申し立てることができるのでしょうか。以下では、2回目の自己破産の可否と条件について説明します。
(1)2回目であっても自己破産は可能
破産法では自己破産を行うことができる回数について、特別な制限を設けていません。したがって、2回目であっても自己破産を行うことは可能です。
しかし、自己破産をすることは債権者にとって大きな不利益となりますので、債務者の個人的な事情によって何度も自己破産をするのは不誠実とみなされる可能性が高くなります。そのため、法律上は2回目以降も自己破産が可能であっても、その条件については1回目の破産よりも厳格に審査されることになります。
例えば、1回目の自己破産であれば、ギャンブルなどの免責不許可事由(免責不許可事由の説明については⑵➀のとおり。)であっても、裁量免責により免責が認められるケースもあります。しかし、再びギャンブルにはまったなど、前回と同じ免責不許可事由によって2回目の自己破産に至った場合は、裁量免責を受けるのは非常に困難になります。
(2)2回目の自己破産の条件
2回目の自己破産をする場合には、以下のような条件を満たしている必要があります。
①前回の自己破産から7年が経過していること
破産法では、自己破産の申し立てがあったとしても免責が認められない事由(免責不許可事由)を定めています。免責とは、支払いの責任を問わないと許可された状態です。
この免責許可決定の確定日から7年以内の自己破産の申し立ては、免責不許可事由とされています(破産法252条1項10号イ)。
したがって、2回目の自己破産の申し立てが、前回の自己破産による免責許可決定が確定した日から7年以内の申し立てだった場合には、原則として、2回目の自己破産での免責は認められません。
②前回とは別の理由での自己破産であること
前回と同様の理由での自己破産の申し立てであったとしても、それだけでは免責不許可事由にはあたりません。しかし、同様の理由で再度多額の負債を抱えることになったという事情があると、破産者は、前回の破産で反省をしていない人物とみなされてしまいます。したがって、2回目の自己破産をする場合には、前回とは別の理由であるということが重要となります。
なお、これらの条件を満たさない場合でも例外的に自己破産が認められることもありますが、厳しく審査されることになります。
2. 2回目の自己破産を自分でできる?
自己破産の申し立てを債務者本人で行うことも可能です。しかし、自己破産の申し立てにはさまざまな手続きが発生するので注意が必要です。弁護士に依頼することによって以下のようなメリットが得られます。
(1)債権者対応から破産申し立てまですべての手続きを任せることができる
債務者自身で申し立てをする場合、債権者対応から申し立てまでのすべての手続きを行っていかなければなりません。自己破産の申し立てをする場合には、膨大な書類の収集や申立書の作成をしていかなければなりませんが、法律手続きの経験がない一般の方が適切な申し立てをするのは大変ハードルが高い行為といえます。
また、申し立てまでの間、債権者からの督促は止まりませんので、相当な精神的ストレスを抱えることになってしまいます。弁護士に依頼すれば、ただちに受任通知を債権者に送り、債権者が通知を受け取ると督促は一時的にストップします。精神的な負担がなくなると同時に、煩雑な書類作成など、すべてを弁護士に任せることができるため、時間コストの短縮にもなるでしょう。
(2)再度の免責が得られるように対策を講じてくれる
2回目の自己破産の申し立てをする場合には、1回目の自己破産に比べて裁判所の免責許可が得られにくくなります。そのため、申し立てにあたっては、申立書に2回目の破産に至った事情などを詳しく記載することや免責審尋での適切な対応が不可欠となります。
債務整理の実績が豊富な弁護士に依頼すれば、どのような観点から説明をすれば免責が認められやすくなるのかを考慮し、申し立てを行います。
3. 2回目の自己破産ができない場合
2回目の自己破産の理由が免責不許可事由にあたり、裁量免責を得られる見込みもない場合でもあきらめることはありません。以下のような、自己破産以外の債務整理の方法を検討してみましょう。
(1)任意整理
任意整理とは、債権者との話し合いによって、月々の返済額の減額や将来利息のカットを求めていく手続きです。自己破産のように、借金額をゼロにすることを求めることはできませんが、現実的な返済方法を再度設定することで負担が軽減されます。ただし、月々の返済を継続できる、一定の安定した収入が必要となります。
(2)個人再生
個人再生とは、自己破産と同様に裁判所を利用する手続きです。再生計画書を提出し、裁判所の決定によって、借金の減額を認めてもらうことができる手続きです。個人再生では、自己破産のような免責不許可事由は存在しませんので、自己破産の申し立てでは免責が認められないようなケースでも、個人再生を利用することが可能です。
どの方法を選択するにせよ、弁護士の助けが重要となるでしょう。借金は時間がたつほど深刻化してしまうおそれがあるため、まずは状況を弁護士に相談してみることをおすすめします。
- こちらに掲載されている情報は、2022年03月26日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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