借金問題(債務整理)を弁護士に相談するメリットと相談料の相場
返済できる見込みがあって借金をしたはずが、給与減により返済が困難になってしまうことがあります。
しかし、借金に関する悩みは知人や家族に言いづらいものです。また、弁護士に相談したくても知人に弁護士はいないので探し方がわからない、費用が高額なのではないかと不安で気軽に相談しにくいという方も少なくありません。
そこで本記事では、借金トラブルの法的な解決方法や、弁護士の選び方、費用について解説します。
1. 借金トラブルは債務整理で解決を目指す
(1)任意整理
債務整理とは、貸金業者との交渉や裁判所の決定によって、借金の負担を軽減したり、返済を免除してもらったりする手続きのことで、3種類の方法があります。
債務整理において、まず検討したいのが任意整理です。
任意整理とは、裁判所を介さず貸金業者などの債権者と直接話し合い、返済期限の延長や将来利息のカットなどを交渉する手続きです。将来利息とは、弁護士と債権者との間で任意交渉の合意が成立してから、完済するまでに支払う利息のことです。
また、過去に過払い金があれば相殺できることがあります。過払い金とは、利息制限法が定める利率の上限(15~20%)を超える金額を払い過ぎていた分のことです。この超過分について貸金業者に返還を求める権利があるため、残金と相殺し、その結果として債務を減額することができます。
なお、任意整理には法的な強制力はなく、貸金業者が応じる場合にのみ成立します。そのため、相手との交渉が必須になります。銀行や金融業者などの専門家と個人で交渉することはハードルが高いと感じる方も多いでしょう。まずは弁護士に任意整理を相談してみるのがおすすめです。
弁護士に依頼した場合の任意整理の流れは以下の通りです。ケースによりますが、和解が成立するまで平均で3~6か月程度かかります。
- 弁護士に依頼
- 弁護士が受任通知を貸金業者に送る
- 貸金業者に受任通知が届いた時点から直接の取り立て禁止(貸金業規制法第21条9項)
- 弁護士が貸金業者に返済計画の交渉を行う
- 貸金業者が合意すれば、返済計画に基づいて3~5年かけて返済する
弁護士に任意整理を依頼すると、上記の通り直接の連絡や取り立てが法律で禁止されるのが非常に大きなメリットのひとつです。
(2)個人再生
個人再生では、裁判所に申し立てて、開始が決定すれば返済計画を提出する必要があります。返済計画が認められれば、借金を最大で10分の1に減額し、原則3年~最長5年で返済していくことになります。個人再生にかかる期間は、ケース・バイ・ケースですが、一般には1年以上かかることが多いでしょう。
個人再生を弁護士に依頼した際の流れは、以下の通りです。
- 弁護士が裁判所に個人再生を申し立て
- 個人再生手続開始決定
- 再生計画案の提出
- 再生計画案の認可・不認可の決定
- 再生計画案に基づき返済
また、個人再生のメリットのひとつとして、一定の条件を満たせば、住宅資金特別条項を利用して住宅ローンの残っている自宅を維持することが挙げられます。
住宅資金特別条項を利用できる主な条件は、以下の通りです。
- 居住するために自宅を所有していること
- 住宅ローン以外の担保権(抵当権など)が設定されていないこと
- マンション管理費や税金の滞納などをしていないこと
- 保証会社の代位弁済がされていない、または代位弁済の日から6か月以内であること
他にも細かい利用条件が設けられており、手続きも複雑であるため、個人再生は弁護士などの専門家に依頼する方が賢明でしょう。
(3)自己破産
債務整理の中で最終手段として位置付けられているのが、自己破産です。自己破産も、裁判所に申し立てて行う手続きです。裁判所に自己破産を申し立て、免責許可が下りると、原則としてすべての借金から解放されて再スタートを切ることが可能となります。
個人再生とは異なり、自己破産の場合は自宅を手放すことになります。ただし家具・家電など最低限の生活必需品や99万円以下の現金、祭祀財産などの“自由財産”は手元に残すことが認められています。
自己破産を弁護士に依頼した際の流れは、以下の通りです。
- 弁護士が裁判所に自己破産・免責許可の申し立て
- 裁判官による審尋
- 免責許可決定
任意整理・個人再生は“返済の見込みがあること”が利用条件でしたが、自己破産の場合は“支払不能”であることが条件となっています。支払不能とはすでに支払期日が過ぎている借金を返済する資力・能力がなく、今後も継続的な支払いが見込めない状態を意味しています。実際に支払不能であるかどうかは、財産の有無、毎月の収入、扶養家族の人数、配偶者の収入などを鑑みて総合的に判断されます。
自己破産を申し立てても、裁判官に免責許可をもらえなければ借金は消えません。本来返済しなければならない借金を国家権力で強制的に無くしてもらう手続きですから、財産や収入については偽りなく申告しましょう。
また、借金がなくなるという大きなメリットがある代わりに、
- 氏名が官報に掲載される
- 警備員や公認会計士などの特定の資格職に一定期間就けなくなる
などのデメリットもありますので注意しましょう。
2. 借金問題を弁護士に依頼する際のポイントと費用
(1)債務整理の経験が豊富な弁護士を選ぶ
弁護士にはそれぞれ対応分野があります。借金トラブルにおいては、債務整理の実績が豊富な弁護士に相談することで、納得いく結果が得られる可能性が高まります。
債務整理の実績があるかは、ホームページで解決実績や事例の記載があるか調査してみましょう。弁護士のプロフィールで、取り扱い分野とこれまでの実績が記載されているケースもあります。また、ブログやSNSを発信している弁護士であれば、債務整理への取り組み方や考え方なども把握することができる場合もあります。
(2)初回無料相談での対応や相性も比較検討
相談料は30分5000円~1万円、もしくは初回相談は無料とする事務所もあります。いくつかピックアップして実際に相談をし、比較検討されてもよいでしょう。
相談の際には、以下の点をチェックしましょう。
- 親身になって丁寧な対応をしてくれるか
- 悩みにきちんと耳を傾けてくれるか
- 専門用語もわかりやすく説明してくれるか
- 債務整理など借金の対策について、具体的に提案してくれるか
(3)費用が不安な場合は法テラスや分割払い対応を
支払い方法が不安な場合は、事前に費用の支払い方法を確認してみましょう。
また、法テラスに弁護士費用を立て替えてもらえる民事法律扶助制度もあります。設定されている収入基準を下回らないと利用できないなどの制限はありますが、弁護士費用がネックとなって債務整理を躊躇している方は検討してみてください。
- こちらに掲載されている情報は、2022年02月28日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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