任意整理がもたらすメリットとは? ~アラカルトな借金問題解決~
コロナ禍がはじまって、1年半。特に一部の業界では、事業主も従業員も、収支の大きな変動を経験してきています。
多くの方は借金をする際、本来は返していける形で借金をするのですが、前提が大きく揺らいでしまうと返せなくなります。また、そうでなくとも、そもそも設定される返済計画の意味合いをよくわからずに、借金の状態になってしまっている人もいるようです(詳細は後述します)。
とにもかくにも、最近借金問題の相談は増えており、私の中でも「任意整理」についていろいろ考えるところがありました。そこで、今回は任意整理というサービスについて、私なりに考えお伝えしたいと思っているところを述べたいと思います。
1. 借金ではない「借金」? ~リボ払いから考える金融サービスのメリット・デメリット~
借金と言うと、多くの方は銀行やいわゆる「サラ金(消費者金融)」で契約し、まとまったお金を受け取ることをイメージする方が多いですが、ショッピングをした際のクレジットカード処理を、借金だと考えていない人もいます。
確かに、たとえば貸金業法の適用有無という点からすると、法律上も借金ではないのかもしれません。しかし、少なくとも任意整理の必要性と言う観点から考えると、あるいは実質面から言えば、特にリボ払いは「借金」です。利息を取られ、元本がなかなか減らない債務を月払いしていくものは、みな「借金」だと考えて良いかと思います。
私もクレジットカードを用いており、ポイントや支払い予定の管理のため、しばしば会員ページにログインします。そうすると、リボ払いに関する特典の広告が山ほど出てきます。このように企業が積極的に誘引するのは、それだけ利息によって企業側にメリットがあるからです。
もちろん、分割で支払える、あるいは究極的には「借金」ができることにより、本来手に届かないものを買えるというユーザー側のメリットもあります。ただ、常にそこのバランスがちゃんと取れているかと言うと、取れていない、あるいはそもそもそういう仕組みをよくわからないままに利用している人もいると感じます。
弁護士としての任意整理の仕事も、当然弁護士事務所側は報酬を得てメリットを得るわけです。ただ、それに見合ったユーザー側のメリットもちゃんと提供できます。ただし、そのメリットの中身は、ユーザーが求めていることと、債権債務の状態によって異なるところがあります。弁護士としては、どのようなメリットがユーザーにとって最適で必要かを把握し提示するのが、面談でのゴールでしょう。
2. 支払いの引き延ばし効果 ~月払い額の減額~
もっともオーソドックスな任意整理のメリットは、今の月払い額を減らせることができる場合です。支払いが苦しく、金融機関が提示した支払い計画ではままならなくなってきたという悩みを抱えたユーザーからの相談に、最適な内容となります。
デメリットとしては、対応期間が長くなる分諸々の手続き的コストは増す可能性があるのですが、和解の時点で金融機関への総支払額は確定するため、引き延ばしの必要がなくなった際には多めに返済することで、柔軟に対応することも可能です。
あくまで引き延ばす必要がある人に、可能な限り引き延ばし月々の支払額を圧縮した返済計画を提供するという、求められているメリットに合わせたサービスの内容になります。
3. 将来利息カット効果 ~総支払額の減額~
これは、私も任意整理の仕事を始めて驚いた点ですが、弁護士費用を入れてもトータルで支払う金額が下がることもあります。
理由は単純で、現在の返済計画だと数年の間に利息が発生しすぎており、和解成立後は利息の増加が止まる形になることが多いからです。計算をしてみると、最初に借りたお金の1.5倍、人によっては2倍ぐらい払うことになることが多く、逆に言えば任意整理によって減額された和解が成立するのも、それまでにかなりの利益を得られているからということなのだと思います。
もちろん、支払い計画は当初の合意に基づいて設定されているものであり、それを後から変更する不義理を働くのですから、一定期間、「同種の金融機関」と取引ができなくなるなどのデメリットはあります。もっとも、「同種の金融機関」というのがポイントであり、あらゆる金融機関と取引ができなくなるわけではありません。そのため、今後必要が見込まれる用途と、任意整理を行う対象とを選択することにより、デメリットを減少させられることも多いです。
4. アラカルトなサービス提供こそ任意整理の醍醐味である
上記「2.支払いの引き延ばし効果 ~月払い額の減額~」「3.将来利息カット効果~総支払額の減額~」で言及した、月額払いの減少と総額払いの減少は、任意整理におけるもっとも大きなポイントであり、私も面談時にはまずこのどちらの要素が、あるいは双方が相談者のメリットにならないかを検討して行くことが多いです。
ただ、任意整理は「破産」や「民事再生」のように法律で形式が定められているわけではないため、サービスとニーズに合わせて他にもメリットが提供できることもあります。
たとえば、複数の金融機関に債務を抱えていて、ばらばらの支払期日を管理することに疲れている方には、支払窓口を弁護士事務所に一括化することで、日常生活の平穏を確保しやすくするメリットになるかもしれません。また、本来メリットではないはずですが、自己管理が苦手で、ついついカードだと使ってしまうといった人には、新たに自由に借金できない仕組みに入ること自体が、メリットとして機能するかもしれません。
このように、その人その人に合ったプランをアラカルトに提供し、人生の立て直しをお手伝いする方法を考えるところこそ、任意整理という法的サービスの醍醐味のように、近日感じています。
- こちらに掲載されている情報は、2021年11月01日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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