
債務整理とは? 弁護士に相談するメリットや費用の相場を解説
多額の借金に抱えていて、債務整理を検討しているものの、相談先や相談費用に関して悩んでいませんか?
債務整理は個人で行うこともできますが、専門家に一任することで手続きを適切かつスピーディーに進めることができます。司法書士に依頼することもできますが、弁護士に依頼するのがおすすめです。
本コラムでは、弁護士に相談するメリットや、費用の相場について詳しく解説します。
1. 債務整理を弁護士に相談するメリットとは
債務整理は、借金の元本を減額又は免除する手続きですが、以下のようなメリットを享受できるので、弁護士などの専門家に相談するのが一般的です。
(1)自分で債務整理を行うのは難易度が高い
債務整理を個人で行うのは難易度が高いといわれています。主な理由は以下のとおりです。
① 状況に合わせた債務整理の方法を選ぶ必要がある
債務整理の手続きには「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3種類があり、手続きごとにメリットとデメリットは異なります。
種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
任意整理 |
・毎月の返済額減額や、将来利息をカットできる ・保証人や連帯保証人に迷惑がかからないことが多い |
・借金の大幅な減額は難しい ・債権者との和解が難しい |
個人再生 |
・借金の元本を約80%減額できる
・自宅などの財産を処分する必要がないことが多い ・預貯金や給料への差し押さえを停止できる |
・安定した収入がなければ利用できない ・手続きが複雑で、時間と費用がかかる |
自己破産 |
・借金が全額免除される ・預貯金や給料への差し押さえを停止できる |
・資産価値のある財産を手放す必要がある ・一定の職業や資格による業務が制限される |
個人で債務整理をする場合、どの手続きを選択すべきか自分で判断しなければなりません。もっとも、弁護士に相談すれば、相談者の現在の収入や資産状況、借金の総額などを踏まえて、どの手続きを選択するのがもっとも効果的かアドバイスがもらえます。
② 個人で行うと失敗してしまうリスクがある
債務整理の手続きを進めるとなると、以下の事項に対応する必要があります。
- 専門知識の習得:債務整理に必要となる法律の専門知識を自分で調べる必要がある。
- 手間のかかる手続きの対応:取引履歴などのさまざまな書類を準備する必要がある。
- 借入先への対応:借入先と、返済する債務総額や毎月の分割金額、分割回数などを交渉する必要がある。
一人で全ての事項に対応するのは身体的・精神的に負担がかかるので、債務整理に失敗してしまうリスクが生じてしまいます。弁護士に相談することで、上記の対応を一任できます。相談者の負担も軽減されるでしょう。
(2)催促や取り立てを止めることができる
弁護士に債務整理を依頼すると、早ければ依頼日当日に借入先へ「受任通知」を送付します。
受任通知を受け取った借入先は、督促や取り立てを即座に停止しなければならないことが貸金業法によって規定されています。よって、日々の催促に悩まされることなく、安心して債務整理の手続きを進めることができます。
2. 債務整理は弁護士と司法書士のどちらに相談するべき?
債務整理の相談先・依頼先として候補に挙がるのは、「弁護士」と「司法書士」です。弁護士と司法書士では、役割や業務範囲に違いがあるので、確認しておきましょう。
(1)弁護士と司法書士の違いとは
弁護士と司法書士の役割・業務の違いを簡単にまとめました。
- 弁護士:法律全般の専門家で、当事者同士で解決が難しいトラブルについて相談を受け、法律の専門知識を生かして助言を行ったり、法的手続きの代理人として活動したりする役割。
- 司法書士:不動産の登記や供託手続き、裁判所・検察庁・法務局などに提出する書類の作成・提出代行が主な業務。
(2)弁護士の方が対応できる範囲が広い
弁護士と司法書士とでは、対応できる範囲が異なります。
弁護士 | (認定)司法書士 | |
---|---|---|
訴額 | 制限なし | 140万円以下 |
訴えることのできる裁判所 | 制限なし | 簡易裁判所のみ |
個人再生・自己破産の申し立て | できる | できない |
たとえば、司法書士事務所に相談した後に借金の金額が140万円を超えていたことが判明した場合や、諸事情により任意整理中に個人再生・自己破産へ変更する場合には、弁護士に相談し直さなければなりません。
したがって、あらかじめ弁護士に相談しておくのがおすすめです。
3. 弁護士に依頼する場合の費用の相場は?
債務整理を弁護士に依頼する際、費用について心配される方も多いでしょう。そこで、弁護士費用の目安と、費用を抑える方法について解説します。
(1)弁護士費用の目安と料金体系
① 債務整理に関する初回相談の相場
初回相談の相談料は、30分あたり5000円程度が相場です。もっとも、法律事務所の多くが無料相談を実施していますので、事前に法律事務所のホームページなどを確認しておきましょう。
② 着手金や成功報酬の目安
着手金や成功報酬の相場は、事件の難易度や法律事務所によって大きく異なります。
-
任意整理
着手金:1社あたり2万円〜5万円程度
基本報酬(解決報酬金):1社あたり1万円〜3万円程度
成功報酬(減額報酬金):減額できた金額の10%
-
個人再生
着手金:33万円程度
成功報酬:22万円〜33万円程度
-
自己破産
着手金:33万円程度
成功報酬:22万円〜44万円程度
(2)費用を抑える方法
相場からして着手金や成功報酬の支払いが難しそうな場合には、以下のような費用を抑えて弁護士に相談する方法を検討してみましょう。
①法テラスを利用する
国が設立した法テラスは、生活保護受給者などが利用しやすいように料金が抑えられているのが特徴です。
法テラスを通じて弁護士を依頼すると、通常の3分の1ほどの料金で依頼でき、月々5000円からの分割払いも可能です。
ただし、利用するためには、以下の3つの要件を満たす必要があります。
- 収入・資産が資力基準以下であること
- 勝訴の見込みがないとはいえないこと
- 民事法律扶助の趣旨に適すること
②弁護士会の無料相談を利用する
全国に点在する弁護士会では、無料の法律相談を定期的に実施していることがあります。最寄りの弁護士会のホームページで、内容を確認しておきましょう。
③日本クレジットカウンセリング協会の無料相談・カウンセリングを利用する
JCCO 公益財団法人日本クレジットカウンセリング協会では、クレジットや消費者ローンを利用して多重債務に陥った方々に対して、消費者保護の立場から公正・中立な立場でカウンセリングを実施しています。
電話相談ができるほか、無料でカウンセリングを利用できます。カウンセリングでは、弁護士カウンセラーと家計アドバイザーが2人1組となって、相談者の経済状況を踏まえ、今後の対応策についてアドバイスをします。
債務整理に関する進め方で悩んだ際は、司法書士へ相談することもできますが、対応範囲が広い弁護士に相談するのがおすすめです。
費用の捻出が難しい場合は、無料相談窓口などを利用することもできます。早い段階から弁護士に相談して、スピーディーに債務整理の手続きを進めましょう。
- こちらに掲載されている情報は、2025年02月25日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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