ケンカの末に暴行罪に問われた!示談交渉の進め方と示談金の考え方
  • 2021年06月14日
  • 犯罪・刑事事件

ケンカの末に暴行罪に問われた!示談交渉の進め方と示談金の考え方

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

犯罪や刑事事件というと、一般の方にとっては関係ないことだと感じられるかもしれません。ところが、たまたま駅でケンカになって、思わず相手の胸ぐらをつかんでしまったといったケースでも、暴行罪で逮捕される可能性があります。暴行罪は親告罪ではないため、被害届や告訴がなくても罪に問われます。
では、被害者と示談を進めたい場合はどのように進めれば良いのでしょうか。あわせて、示談金の相場についても理解しておきましょう。

1. 暴行罪における示談とは

暴行罪は、刑法208条に規定される犯罪です。

暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

ここでいう「暴行」とは、人の身体に対する不法な有形力の行使と定義され、次のような行為が該当します。

  • 殴る
  • 蹴る
  • 身体を小突く
  • 胸ぐらをつかむ
  • 髪の毛を引っ張る
  • 刃物を突き付ける
  • 物を投げつける

暴行というと、殴る、蹴るといった激しいケンカの場面などを思い浮かべますが、法律に照らせば、カッとなって相手を小突いた程度でも、暴行罪に該当する可能性が十分にあります。

(1)暴行罪に問われた場合の示談交渉

示談とは、加害者が被害者に対して謝罪し、解決金などを支払うことで、トラブルを解決したという合意を交わすことです。示談成立までの一般的な流れは次のとおりです。

①加害者から被害者へ謝罪と示談を申し入れる

まずは、加害者から被害者へ、事件を起こしたことについて謝罪の意思を伝えます。そして、示談について打診をして交渉を開始します。

②示談の条件の確定

示談に関する条件を話し合います。示談に関する条件とは、解決金の金額や支払い時期、支払い方法などです。

③示談書の作成

示談の内容について合意がとれた場合は、示談の条件を記載した書面を作成します。示談が成立すると、その後のやり直しは原則としてできません。また、示談したことをきちんと立証できるようにするため、必ず書面を作成し、被害者に署名押印をもらいましょう。示談書は、今後のことも考慮して、内容については慎重に検討したうえで作成ことが大切です。

④示談金の支払い

示談書が完成したら、実際に示談金を支払います。支払い方法は、被害者と合意した方法で行います。

⑤示談書の提出

完成した示談書の提出をもって、示談が成立したという事実を捜査機関へ報告します。

2. 示談金の考え方

被害者との示談交渉で、示談金額はどのように決めるのでしょうか。示談金に相場はあるのでしょうか。

(1)示談金額はケース・バイ・ケース

暴行事件の特徴は、被害者に怪我がないという点です。暴行の結果、被害者に怪我が生じていた場合は、暴行罪ではなく傷害罪が成立します。したがって、示談金の相場は、傷害事件の場合と比較すると低めであり、具体的には10万~30万程度と考えられます。ただし、相場はあくまで相場であって、実際には事件の態様や事情によって金額は異なります。
なお、次のような事情は、示談金の額に影響すると考えられます。

【示談金が高くなる事情】

  • 暴行の回数が多い
  • 理不尽な逆恨みなど、動機に酌量の余地がない
  • 被害者が強い怒りを示している

【示談金が低くなる事情】

  • 暴行が軽微である
  • 暴行のきっかけに被害者の落ち度がある(被害者が挑発していた場合など)
  • 被害者の怒りがさほど大きくない

3. 示談交渉を弁護士に依頼するべき理由

暴行事件を起こし、示談を進めたいと考える場合は、基本的には弁護士に依頼するべきといえるでしょう。では、なぜ弁護士に依頼するべきなのでしょうか。また、どのようなメリットがあるのでしょうか。

(1)被害者の連絡先を開示してもらえる可能性がある

示談をするには、被害者に連絡して謝罪などを受け入れてもらう必要があります。つまり、示談にあたっては、先に被害者の連絡先を入手する必要があります。被害者が知人であれば連絡先をすでに把握している場合がありますが、偶発的な事件の場合などは、被害者の連絡先はわからないでしょう。
いくら示談交渉のためとはいえ、捜査機関が被害者の連絡先を加害者に開示してくれることはありません。しかし、弁護士であれば、捜査機関が連絡先を開示する可能性が高くなります。

(2)被害者と冷静に交渉できる

暴行事件の被害者は、加害者に対して強い怒りや恐怖心を抱いている場合が多いです。したがって、自分で交渉しようとしても、交渉そのものを拒まれることも少なくありません。しかし、弁護士が代理人となることで、交渉に応じてもらえる可能性は高まります。
弁護士であれば、被害者の感情に配慮しつつ、適切に交渉を進めることができます。

(3)正確な示談書を作ってもらえる

示談書の作成は、示談の成立の必要条件ではありません。しかし、示談が成立したこと、示談金を支払ったことなどを立証するためには、示談書の作成は欠かせません。示談書面は、捜査機関や裁判所に提出するため、法的に正確な書面である必要があります。弁護士に示談交渉を依頼すれば、示談書の作成までサポートしてもらうことができます。

暴行罪の示談の成立は、刑事手続きにおいて加害者にとって有利な事情です。

起訴される前に示談が成立すれば、不起訴となり刑事裁判にならずに済む可能性が高まります。不起訴になるということは、前科がつかないという意味でもあり、その価値は非常に高いでしょう。
たとえ起訴された場合でも、示談が成立しているという事実によって、有利な判決を獲得できる可能性が高まります。

暴行事件をおこしてしまった場合は、弁護士に依頼した上ですみやかに示談交渉を進めることが、事件解決のためには重要といえます。

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