違法ダウンロードはバレる？ 刑事罰の可能性について解説
弁護士JP編集部
インターネットを利用して、音楽、映像、静止画などを楽しんでいるという方も少なくないでしょう。インターネットは日常生活を送るうえで非常に便利なツールですが、使い方を誤ってしまうと違法ダウンロードによって刑事罰の対象になる可能性もあります。安心してインターネットを利用するためにもどのような行為が違法ダウンロードに該当するかを知っておくことが大切です。
今回は、違法ダウンロードの概要や逮捕の可能性などについて解説します。
1. 違法ダウンロードとは？
違法ダウンロードとはどのような行為なのでしょうか。また、違法ダウンロードをしてしまった場合にはどのような罰則が適用されるのでしょうか。
（1）違法ダウンロードとは
違法ダウンロードとは、インターネット上に違法アップロードされたものであると知りながらコンテンツのダウンロードを行うことをいいます。
近年では、サブスクリプションサービスの普及によって、映画、音楽、漫画などさまざまなコンテンツをスマートフォンなどで気軽に楽しむことができるようになりました。しかし、海賊版サイトや違法動画サイトなど権利者の許可を得ることなく違法にアップロードされたサイトも横行しています。
以前は、違法アップロードのみが規制の対象となっていましたが、著作権法改正によって、現在では、違法にアップロードしたコンテンツをダウンロードした場合にも著作権侵害として刑事罰の対象となっています。
（2）違法ダウンロードをした場合の刑罰
違法にアップロードされたコンテンツであることを知りながら、それをダウンロードした場合には、著作権法違反となり、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金またはその両方が科されます（著作権法119条3項）。
2. 違法ダウンロードで逮捕される可能性は？
違法ダウンロードをした場合には、逮捕される可能性はあるのでしょうか。また、そもそも違法ダウンロードはどのようにバレるのでしょうか。
（1）違法ダウンロードがバレる理由
「違法ダウンロードをしてもバレることはないのでは？」とお考えの方もいるかもしれません。しかし、著作権者による法的手段によって違法ダウンロードをした人を特定することは可能です。
違法ダウンロードによって自身の著作物に関する権利侵害を受けた著作権者は、サイト管理者に対して違法ダウンロードの際に利用されたIPアドレスの開示を求めます。そして、IPアドレスによって判明したプロバイダに対して発信者情報開示請求をすることによって、違法ダウンロードをした人の住所、氏名、電話番号、メールアドレスなどを特定、把握することができるのです。
（2）逮捕される可能性は高くない
違法ダウンロードをしたとしても、著作権法違反を理由に逮捕される可能性は低いといえます。それには、以下のような理由があります。
①親告罪であること
違法ダウンロードを理由として検察官が起訴をするためには、著作権者などの被害者による告訴が必要になります。これを「親告罪」といい、告訴がなければ警察は捜査を進めることがないためです。被害者が告訴をするためには、違法ダウンロードをした人を特定して行う必要がありますが、上記のとおり、煩雑な手続きを要するため、積極的に告訴がなされることはありません。
②犯罪の立証が難しい
告訴は場合によっては被疑者不詳のまま特定せずにできる場合もありますが、違法ダウンロードは、違法にダウンロードされたコンテンツを「知りながら」ダウンロードした場合に成立する故意犯です。犯罪が成立するためには、行為者の認識を立証する必要がありますが、行為時の主観は目に見えないばかりか、客観的にその故意を立証することは大変難しく、そのことも理由のひとつとして挙げられます。
違法ダウンロードをしたとしても逮捕の可能性は低いですが、犯罪行為であることには変わりありません。違法ダウンロードによって取得したコンテンツなどはすぐに削除して、今後は正規の手段によって動画、音楽、漫画などのコンテンツを楽しむことが大切です。
また、違法ダウンロードをしたコンテンツを動画サイトなどにアップロードしてしまうと、より重い刑罰が適用されることになりますので、絶対にしてはいけません。
自分の行為が違法ダウンロードにあたるのかどうか不安だという方は、まずは弁護士に相談をすることをおすすめします。弁護士に相談をすることによって、違法ダウンロードの該当性や違法ダウンロードにあたる場合の対処法などを具体的にアドバイスしてもらうことが可能です。
- こちらに掲載されている情報は、2022年07月14日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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