中学生・高校生の「補導時間」は?都道府県ごと一覧、対象行為など
20歳未満の人が公共の場所で不適切な行為をした場合などには、警察官に「補導」されることがあります。特に深夜に出歩く行為については、各都道府県の条例において補導時間が定められています。
補導されても前科がつくことはありませんが、不当な取調べや身柄拘束を受けた場合などには弁護士に相談しましょう。
本記事では、都道府県ごとに定められている補導時間や、補導の対象となる行為、補導された場合にとるべき対応などを解説します。
1. 補導時間は何時から何時まで?
20歳未満の人が深夜に出歩く行為は、警察官による補導の対象となることがあります。
(1)補導時間に関する各都道府県の条例の定め
各都道府県の条例(青少年健全育成条例など)では、主に青少年(18歳未満の人)が深夜に出歩くべきでない時間帯について、以下のような定めを設けています。
- 保護者は、青少年を深夜に外出させてはならない
- 何人も、保護者の承諾を得ないで青少年を深夜に外出させてはならない
- など
上記のような青少年条例の定めは、警察官が深夜に補導を行う時間帯の目安となっています。
具体的な時間帯は、各都道府県の警察行政上の方針や、日照時間などの個別事情を考慮して定められています。
ただし、青少年条例で定められた補導時間は厳密な基準ではなく、その他の時間帯でも不適切な行為をすれば補導されることがあり得るのでご注意ください。
(2)都道府県別の補導時間一覧
各都道府県の青少年条例で定められた補導時間は、下表のとおりです(条例改正によって変更される場合があります)。
| 北海道 | 午後11時~午前4時 |
|---|---|
| 青森県 | 午後11時~日の出時 |
| 岩手県 | 午後11時~午前4時 |
| 宮城県 | 午後11時~午前4時 |
| 秋田県 | 午後11時~日の出時 |
| 山形県 | 午後11時~午前4時 |
| 福島県 | 午後10時~午前5時 |
| 愛知県 | 午後11時~午前6時 |
|---|---|
| 岐阜県 | 午後10時~午前4時 |
| 静岡県 | 午後11時~午前4時 |
| 新潟県 | 午後11時~午前4時 |
| 富山県 | 午後11時~午前4時 |
| 石川県 | 午後11時~午前4時 |
| 福井県 | 午後11時~午前4時 |
| 山梨県 | 午後11時~午前4時 |
| 長野県 | 午後11時~日の出時 |
| 東京都 | 午後11時~午前4時 |
|---|---|
| 神奈川県 | 午後11時~午前4時 |
| 埼玉県 | 午後11時~午前4時 |
| 千葉県 | 午後11時~午前4時 |
| 茨城県 | 午後11時~午前4時 |
| 栃木県 | 午後11時~午前5時 |
| 群馬県 | 午後11時~午前4時 |
| 京都府 | 午後11時~午前4時 |
|---|---|
| 大阪府 | 16歳未満:午後8時~午前4時 16歳以上18歳未満:午後11時~午前4時 |
| 兵庫県 | 午後11時~午前5時 |
| 三重県 | 午後10時~午前5時 |
| 滋賀県 | 午後11時~午前5時 |
| 奈良県 | 午後11時~午前4時 |
| 和歌山県 | 午後10時~午前4時 |
| 広島県 | 午後11時~午前6時 |
|---|---|
| 岡山県 | 午後11時~午前5時 |
| 鳥取県 | 午後11時~日の出時 |
| 島根県 | 午後11時~午前4時 |
| 山口県 | 午後11時~午前5時 |
| 徳島県 | 午後11時~午前4時 |
|---|---|
| 香川県 | 午後11時~午前4時 |
| 愛媛県 | 午後11時~午前4時 |
| 高知県 | 午後10時~午前4時 |
| 福岡県 | 午後11時~午前4時 |
|---|---|
| 佐賀県 | 午後11時~午前4時 |
| 長崎県 | 午後11時~午前4時 |
| 熊本県 | 午後11時~午前5時 |
| 大分県 | 午後11時~午前4時 |
| 宮崎県 | 午後11時~午前4時 |
| 鹿児島県 | 午後11時~午前4時 |
| 沖縄県 | 午後10時~午前4時 |
2. 補導とは?
「補導」とは、少年の非行を抑止するために、警察官が適切な措置を講ずることをいいます。具体的には、以下のような措置がなされることがあり、状況に応じて警察官が判断します。
- 注意、助言、警告
- 保護者や学校への連絡
- 身柄の保護
- など
警察官による補導活動は「少年警察活動規則」という法令に基づいて行われており、「街路補導」と「継続補導」の2種類があります。
①街路補導(少年警察活動規則7条)
以下の場所において非行や不良行為をする少年などを警察官が発見した際、必要に応じその場で補導が行われます。
- 道路などの公共の場所
- 駅などの多数の客が来集する施設
- 風俗営業の営業所などの少年の非行が行われやすい場所
②継続補導(同規則8条2項)
少年の非行の防止を図るため特に必要と認められる場合に、保護者(18歳・19歳の場合は本人)の同意を得た上で、本人に対する助言や指導などの補導を継続的に実施します。
継続補導は、家庭・学校・交友その他の環境が、相当程度改善されたと認められるまで行われます。
(1)補導の対象となる少年・行為
補導対象となるのは、以下のいずれかに該当する少年(=20歳未満の人)です(少年警察活動規則7条1項、6条、2条6号~10号)。
(a)犯罪少年
罪を犯した14歳以上の少年をいいます。
(b)触法少年
14歳未満であって、刑罰法令に触れる行為をした少年をいいます。
(c)虞犯(ぐはん)少年
次に掲げる事由があって、その性格または環境に照らして、将来罪を犯し、または刑罰法令に触れる行為をするおそれのある少年をいいます。
- 保護者の正当な監督に服しない性癖がある
- 正当の理由がなく家庭に寄りつかない
- 犯罪性のある人や不道徳な人と交際し、またはいかがわしい場所に出入りしている
- 自分や他人の徳性を害する行為をする性癖がある
なお、犯罪少年・触法少年・ぐ犯少年を総称して「非行少年」といいます。
(d)不良行為少年
非行少年には該当しないものの、以下の行為(=不良行為)をしている少年をいいます。
- 飲酒
- 喫煙
- 深夜徘徊(はいかい)
- その他自己または他人の徳性を害する行為
(e)被害少年
犯罪その他少年の健全な育成を阻害する行為により、被害を受けた少年をいいます。
(f)要保護少年
児童福祉法による福祉のための措置、またはこれに類する保護のための措置が必要と認められる少年をいいます。
※(a)~(c)および(g)に該当する少年を除きます。
(g)児童虐待を受けたと思われる少年
児童虐待を受けたと思われる児童(=18歳未満の人)をいいます。
特に「不良行為少年」に対する補導がなされる例が多数見られます。不良行為に当たるのは、以下の行為です。
- 飲酒
- 喫煙
- 深夜はいかい
- 薬物乱用
- 粗暴行為
- 刃物等所持
- 金品不正要求
- 金品持ち出し
- 性的いたずら
- 暴走行為
- 家出
- 無断外泊
- 怠学
- 不健全性的行為
- 不良交友
- 不健全娯楽
- その他(上記の行為以外の非行その他健全育成上の支障が生じるおそれのある行為で、警視総監または道府県警察本部長が指定するもの)
特に深夜徘徊(=深夜に出歩く行為)については、保護者同伴であっても補導の対象となることがあるので注意が必要です。
ゲームセンターや映画館などの施設には、保護者同伴でも少年が深夜に入場することは認められないケースが多いのでご注意ください。
(2)補導は逮捕・非行歴・前科などとは異なる
補導は、強制的に身柄を拘束する「逮捕」とは異なります。あくまでも補導は任意の指導であって、従わなくても直ちに罰則を受けることはありません。
また、補導されたとしても刑罰を受けたり、少年審判に付されたりするとは限りません。むしろ、特に処分を受けずに解放されるケースがほとんどです。
処分を受けなかった場合は、非行歴や前科が残ることはありません。「補導歴」は残りますが、特に具体的な不利益はありません。
3. 補導された場合にとるべき対応
補導は非行を防ぐ目的で行われる指導であって、少年に対する刑罰などの処分を目的としたものではありません。そのため、基本的には素直に従えば、不利益を受ける可能性は低いでしょう。
ただし、補導の名目で強制的に身柄を拘束されたり、不当な取調べを要求されたりすることもないとは言えません。もしこのような取り扱いを受けた場合は、速やかに弁護士へご相談ください。
- こちらに掲載されている情報は、2025年09月17日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。