家族間のトラブルを調停で解決。親族関係調整調停とは?
  • 2021年07月14日
  • 裁判・法的手続

家族間のトラブルを調停で解決。親族関係調整調停とは?

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

親族間で財産の管理などでいさかいが発生した場合、裁判所の手続きである親族関係調整調停を使い、トラブルを解決する方法があります。本コラムでは、親族関係調整調停について、申立の方法や弁護士に依頼すべき理由について解説します。

1. 親族関係調整調停で解決できるトラブルの種類

(1)親族間での話し合いが行き詰まったら

親族間において、感情的なもつれなどが原因で共有財産の使用方法などに関する対立が生じてしまうことがあります。このような場合に、親族ならではの関係性を利用して、あるいは他の親族などの手も借りて穏便に解決できればよいのですが、対立が激しく親族の間では解決が難しいことがあります。

そのようなトラブルを穏便に解決するために、公平・中立の第三者に紛争の仲立ちをしてもらえる制度があります。それが、親族関係調整調停です。

(2)親族関係調整調停とは

親族関係調整調停とは、上記のような親族間での紛争を解決するため行われる家庭裁判所における調停です。

調停とは、調停委員会という、調停委員と裁判官で構成される会議体が、申立人と相手方との間に入って、話し合いを通じて紛争の解決を目指す手続きです。

2. 調停の流れ

(1)申立人となれる人

親族関係調整は、申立てを行う人が、相手方とする人の親族であれば利用することができます。

(2)申立先

申立先は、原則、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所となります。当事者間で合意した場合は、合意した家庭裁判所で行うこともできます。

(3)申し立てにかかる費用

申し立てに必要な費用は次のとおりです。

  • 収入印紙1200円分
  • 連絡用の郵便切手(詳しくは、申立て先の各家庭裁判所でお確かめください。)

(4)申し立てに必要な書類

提出する必要があるのは、「申立書」という書類です。

申立書には、どのようなことを相手方に求めたいのか(申立ての趣旨)、なぜそのような申立てに至ったのか(申立ての理由)などを記載します。

また、申立ての趣旨や申立ての理由を裏付ける資料などがあれば、申立書と併せて提出します。

申立書および資料は、裁判所だけではなく、相手方にも交付されます。資料の中に相手方に知られたくない情報がある場合には、マスキング(黒塗り)をして提出します。

マスキングができない資料については、非開示を求める申出書を合わせて提出します。

(5)調停期日の連絡

申立て後、家庭裁判所から申立人と相手方双方に対して、初回期日調整のための連絡がきます。ここで調停の初回期日が決められます。なお、調停が行われるのは平日のみです。

(6)調停期日

調停は家庭裁判所で行われます。1回の時間はおおよそ2時間ほどです。

申立人と相手方は、別々の待合室で待機します。調停委員から呼び出しを受けたら、調停室に入ります。同席でも問題ない場合は同席となることがありますが、一般的には交互に調停室に入り調停委員とお話しすることになるでしょう。

調停室では、調停委員が、当事者から相手方に対する主張を聞くとともに、当事者に対し相手方からの主張を伝えます。交互にお話しを伺った調停委員は、両当事者とともに解決案を模索します。

その調停期日で話し合いがまとまれば調停成立となり、調停は終了します。話し合いがまとまらず、日を改めて話し合いを重ねる必要がある場合には、調停は続行となり、2回目、3回目の期日へと続いていきます。次回の調停期日までは、1~2か月程度間が開くことが通常です。

(7)調停の終了

話し合いがまとまり、申立人と相手方との間で合意に至った場合は、調停成立となります。調停が成立した場合、当事者間で合意した内容が記載された「調停調書」という文書が裁判所によって作成されます。当事者は、今後ここに記載された内容を守っていくことになります。

反対に、話し合いがまとまらず、申立人と相手方との間で合意に至らなかったのであれば、調停は不成立で終了します。

(8)調停不成立で終わってしまったら?

調停が不成立で終わってしまった場合であっても、申立人の希望を実現したいという場合にはどうすればいいでしょうか。

ひとつの方法として、民事訴訟を提起するという方法があります。

ただし、親族関係調整調停は、必ずしも法的な紛争でなくても取り扱ってもらうことが可能ですが、民事訴訟の場合、法的な紛争でなければ取り扱いの対象外となるので、そもそも訴訟提起が可能かについては確認が必要です。

3. 調停を有利に進めるためにやるべきこととは?

調停も相手方との交渉事であり、法律問題が絡むことが多くあります。説得的かつ法律的にも有効な主張をすることで、申し立て内容を実現できる可能性が高まります。そのため、弁護士に依頼することをおすすめします。

弁護士は、調停期日に同行することが可能です。当事者が出席できない場合には、代理人のみが出席することで調停を進めることができます。裁判に移行した場合であっても、もちろん代理人として対応することが可能です。

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