【内容証明が届いたら】届く理由と対応方法を解説

【内容証明が届いたら】届く理由と対応方法を解説

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

慰謝料請求などの内容証明郵便が届いたら、焦りや不安を覚える方も少なくありません。どのように対応すべきか、家族にバレないかといった悩みも生じます。

本コラムでは、内容証明郵便が届くケースや理由、内容に応じた対応方法などを解説します。

1. 内容証明が届くのはどのような場合? どうしたらいい?

(1)内容証明郵便とは

内容証明郵便とは、一般書留郵便物の内容文書について、日本郵便株式会社が差出人作成の謄本で証明するサービスを指します。

これにより、いつ誰が誰へどのような文書を差し出したかが証明されます。差し出された日時、差出人と宛先など、そこに記された内容が真実であるかどうかは証明されません。

謄本とは内容文書を書き写した書面のことで、差出人と差出郵便局が保管します。差出人は、5年以内であれば保管されている謄本の閲覧請求が可能です。

(2)なぜ内容証明郵便が送られてくる?

郵便物を内容証明の形で送る主な理由は、法的な意思表示・通知の存在や日付を証拠として残すことです。

また、副次的には受取人にプレッシャーを与える目的で発せられることもあります。内容証明郵便が用いられるケースとしては、慰謝料請求などの損害賠償請求や貸金の返還督促、債権譲渡通知、未払い賃金の請求などが挙げられます。そのほか、契約解除や取消通知、クーリングオフなどでも送られてくる場合があります。

(3)内容証明郵便を受け取り拒否や無視した場合は?

内容証明郵便は受取人が押印や署名を行って受け取るため、受け取りを拒否することも可能です。拒否すると、その郵便物は差出人に返送され、拒否した旨の記録が残されます。また、不在だった場合は不在通知が残されて郵便局に原則7日間保管され、その間に再配達の依頼をしなければ、差出人に返送されます。

郵便物を受け取りつつ、何も行動を起こさず無視することも可能です。ただ、少なくとも受け取ったという客観的な記録は残るため、無視をすると訴訟などで不利に働くリスクがあります。

(4)家族や職場に知られる恐れはある?

借金の督促状などが内容証明郵便として送られてくる場合、家族や職場に知られたくないこともあるかもしれません。

内容証明郵便を受け取ることができるのは本人に限らないため、家族や職場の人間が受け取って開封することで、内容を知られてしまう恐れはあります。これを避けたいのであれば、差出人と交渉し、郵便局留めにしてもらうことも可能です。ただし、あくまでも事前の交渉次第であり、絶対とはいえません。

2. 内容証明が届いた際の対応方法

内容証明郵便が届いたら、記載されている内容を確認し、必要に応じて回答を作成することになります。以下では、内容が正当な場合と、内容が事実と異なる場合に分けて解説します。

(1)内容が正当な場合

お金を借りている相手からの督促状や、浮気相手の配偶者による慰謝料請求書など、内容に心当たりがある場合は、対応が必要です。全面的に記載内容が正当で、特に異論や反論がない場合には、そのまま従うことも考えられます。

他方で、内容に心当たりはあるものの、自分にも言い分があるという場合には、安易な回答は差し控えましょう。なぜなら、回答した内容が法的な証拠となって、後々不利な結果に結びつく恐れがあるからです。たとえば、慰謝料を請求される原因となった事実はあるにせよ、請求金額が高すぎるのではないか、といった反論をしたいときには、弁護士と相談して回答の文面を慎重に練ることをおすすめします。

(2)内容が事実と異なる場合

まず、内容が完全に事実無根である場合、たとえば、架空請求などのケースでは、請求が認められる可能性は限りなく低いでしょう。

一方で、相手や状況次第では、無視して回答しなかった場合に訴訟を起こされるなど何らかの不利益を被る可能性もあります。そのため、判断に迷う場合は弁護士に相談してみましょう。事実無根とまではいえず、争う余地があるような場合だと、無視することにはリスクがあります。たとえば、過去に「借金は免除する」と言われていたのにもかかわらず、差出人が借金の返済を求めてきた場合は、自分から積極的に借金が免除された証拠を提示することがトラブルの解決につながるはずです。

しかし、こういった場合にも慌てて自己判断で動くのではなく、事実関係を含めて弁護士に相談し、最適な対応へのアドバイスをもらうことをおすすめします。

3. 内容証明が届いたら弁護士に相談を

自身のみでも、内容証明への回答自体は可能です。しかし、弁護士へ依頼することで、以下に示すような複数のメリットを得られます。

(1)適切な対応方法を助言してもらえる

たとえば、同じ「お金を返せ」という請求でも、素直に全額を返すという対応だけでなく、減額交渉をする、分割返済を頼む、任意整理や自己破産を検討するといった、複数の道があります。具体的にどのような対応方法が最適なのか、自分だけでは判断が難しいこともあるはずです。

弁護士に相談することで、対応方法の選択肢や、ベストと考えられる対応方法について助言してもらえます。

(2)合意書の作成を代行・サポートしてもらえる

内容証明郵便の差出人と交渉して、話がまとまったとします。この場合でも、後から「そんなことは約束しなかった」などと言われてトラブルになることを防止するためには、合意書の作成をしておく必要があります。

弁護士に相談すると、形式面・内容面とも問題のない合意書を作成してもらえて、話の蒸し返しやすれ違いなどを防ぐことが可能です。

(3)訴訟対応をしてもらえる

内容証明をきっかけとして、本格的な訴訟に発展することもあります。こうした状況で、弁護士に事前に相談しておくと、代理人として速やかな対応を行ってもらえます。証拠の収集や答弁書の作成といった面倒な手続きもスムーズに進められ、早期の解決を図ることも可能です。

内容証明郵便が届いたら内容を精査し、対応すべきかどうか、対応するとしてどのように行うのがもっともよいのか、といった判断をしなければなりません。弁護士に相談することで、より適切な対応が可能です。

弁護士JP編集部
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法的トラブルの解決につながるオリジナル記事を、弁護士監修のもとで発信している編集部です。法律の観点から様々なジャンルのお悩みをサポートしていきます。

  • こちらに掲載されている情報は、2024年07月25日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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