ネットショップを運営するとき知っておくべき、4つの法律
  • 2021年05月25日
  • 企業法務

ネットショップを運営するとき知っておくべき、4つの法律

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

近年、ネットショップのビジネスは急拡大しています。

新規参入は比較的敷居が低いといわれるネットショップですが、このビジネスにはさまざまな法律が関係しており、それを知らないまま事業を運営していくと思わぬリーガルリスクを負うことになりかねません。
本コラムでは、ネットショップ運営で守るべき法律とリーガルリスクを最小化する方法について解説します。

1. ネットショップを運営するときに守るべき法律とは?

ネットショップは、消費者が店舗に赴かなくても商品を購入できるという利便性と、事業者にとって店舗運営に関する設備投資が少なくてすむというメリットがあります。

その反面、消費者自ら商品を手に取らず購入することから、それに起因する事業者とのトラブルも生じやすいのです。

事業者がネットショップを運営するうえで関連してくる法律には、以下の4つがあります。いずれも、事業者ではなく消費者を保護することが目的である点に、注意が必要です。

(1)特定商取引に関する法律

特定商取引に関する法律(特定商取引法)では、事業者と消費者との間における紛争が生じやすい取引を「特定商取引」と定義したうえで、事業者による特定商取引に関する不公正な勧誘等を罰則付きで規制しています。

具体的には、消費者に誤解を招かないように事業者が広告に記載すべき事項を定めているのです。また、消費者による事前の承諾がない電子メールやファクシミリによる広告の送付を禁止しています。

さらに、クーリングオフなど契約解除に関する特別な規定も設けられていることを知っておきましょう。

(2)電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律

電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律は、「電子消費者契約法」とも略称されます。

たとえば、消費者がネットショップで商品を1個しか買うつもりがないのに、誤って100個注文してしまったとします。この場合、事業者は民法第95条第3項における消費者の「重大な過失」により、その取り消しはできないと反証できるかもしれません。

しかし、電子消費者契約法第3条の規定に基づき、消費者が注文内容を確認して訂正できる画面を設けるなど、事業者が消費者の操作ミスを防止するための措置を講じていない場合は、消費者に重大な過失があっても、消費者はなお契約を取り消せることができるのです。

(3)不当景品類及び不当表示防止法

不当景品類及び不当表示防止法は、「景品表示法」又は「景表法」とも略称されます。

同法第5条第1号では、「優良誤認表示」として、商品・サービスの内容が実際よりも優良であると誤認させること、および他社の商品・サービスよりも優良であると誤認させることを禁止しています。

また、同法第5条第2号では、「有利誤認表示」として、商品・サービスの内容が実際よりも安い、および他社の商品・サービスよりも安いと誤認させることを禁止しています。

この規制に違反すると、措置命令や課徴金が科されます。

(4)個人情報の保護に関する法律

個人情報の保護に関する法律は、個人情報保護法と略称され、個人の権利と利益を保護する目的で、個人情報を取り扱う事業者に対し、さまざまな義務を課すことを定めた法律です。

同法では、個人情報をデータベース化して事業の用に供している者を「個人情報取扱事業者」といいます。個人情報について、個人情報取扱事業者は、以下を遵守することが義務付けられています。

  • 個人情報の適切な取得
  • 特定の利用目的による利用
  • 第三者提供における本人の同意
  • 安全管理、センシティブ情報の取得制限
  • 開示請求等への適切な対応

同法第20条では、個人情報取扱事業者に「取り扱う個人データの漏洩、滅失または毀損の防止その他の個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない」と規定しています。

この規定により、杜撰な管理や悪意などにより生じた不適切な個人情報の漏えいは、社会的な信用失墜や当該個人情報の本人から損害賠償請求を受ける可能性に加えて、行政処分や刑事罰が科される可能性があります。

2. ネットショップを運営するときには法律相談をしよう

ネットショップを運営していくことには、さまざまな法律が関係してきます。そして、法律は知らなかったではすまされません。

もし法律の知識が不十分なままネットショップを運営し、知らず知らずのうちに法令違反をしていた場合、事業が立ちいかなくなるだけではなく、運営者個人も罰せられる可能性があるのです。

そのような事態を防止するために、ネットショップを運営するうえでは弁護士に相談しながら進めることをおすすめします。

特にネットショップのように比較的新しい事業形態に関しては、頻繁に新しい法律ができたり改正が行われたりします。それにタイムリーにキャッチアップしていくことは容易なことではないかもしれません。リーガルリスクを最小化した事業運営を目指すために、お近くの法律事務所に連絡してみてはいかがでしょうか。

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