違法な訪問販売の被害にあった場合の対処法は?
  • 2021年04月05日
  • 消費者被害

違法な訪問販売の被害にあった場合の対処法は?

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

訪問販売に来た営業マンの圧力により、契約内容をよく理解しないままに売買契約を締結してしまう消費者被害の事例が多発しています。

このような場合は、「特定商取引法」等にもとづいて、売買契約の解除・取り消しが認められる可能性があります。不本意な契約をしてしまった場合は、早い段階から弁護士に相談を行って、冷静に対応しましょう。

本コラムでは、違法な訪問販売の被害にあった場合の対処法について解説します。

1. 訪問販売が違法となる場合とは?

訪問販売に関するルールは、「特定商取引に関する法律」(特定商取引法)によって定められています。訪問販売が違法となる具体的な事例は、下記の通りになります。

(1)事業者の名称などを明らかにしない

訪問販売をする会社などの事業者は、相手方に対して、以下の事項を明示しなければなりません(特定商取引法第3条)。

  • 事業者の氏名または名称
  • 売買契約または役務提供契約の締結について勧誘をする目的であること
  • 勧誘する商品、権利、役務の種類

これらの事項を明示しない勧誘行為は、特定商取引法違反となるのです。

(2)勧誘を一度断った人に対してさらに勧誘をする

訪問販売をする事業者は、勧誘を開始する前に、「勧誘を受ける意思があるかどうか」を相手方に確認するよう努めなければなりません(特定商取引法第3条の2第1項)。

そして、確認した段階で相手方が勧誘を断った場合には、それ以上勧誘を続けることは違法となります(同条第2項)。

(3)法定の契約書面を交付しない

訪問販売をする事業者は、契約締結にあたって、契約に関する重要な法定事項を記載した書面を相手方に交付しなければなりません(特定商取引法第4条、第5条)。

契約を締結するにもかかわらず書面交付を怠った場合、クーリングオフ期間が進行しないため、相手方はいつでも契約を解除できます(同法第9条第1項)。

(4)重要な事項についての不実告知・不告知

契約に関する重要な法定事項について、事実でない内容を伝えたり、故意に事実を告げなかったりする行為は違法です(特定商取引法第6条第1項、第2項)。

このような不実告知・不告知が行われたことによって締結された契約は、取消すことができます(同法第9条の3第1項)。

(5)威迫的な勧誘

訪問販売の勧誘をする際に、凄んだり脅したりするなどの威迫的な勧誘を行って相手方を困惑させる行為は、違法となります(特定商取引法第6条第3項)。

(6)クーリングオフの妨害

クーリングオフができる事実を告げなかったり、クーリングオフの制度について嘘を教えたりして、相手方によるクーリングオフを妨害する行為は違法です。

クーリングオフの妨害があった場合、改めて書面交付が行われるまでの間、クーリングオフ期間は進行しません(特定商取引法第9条第1項)。

(7)過量な商品・サービスの販売

日常生活において通常必要とされる分量を著しく超える商品・サービスの販売は、原則として解除することができます(特定商取引法第9条の2第1項)。

このような過量の商品・サービスに関する契約については、契約締結から1年以内に限り、解除が可能です(同条第2項)。

2. 訪問販売で締結した契約を解除したいときの対処法は?

訪問販売に応じて本意ではない契約を締結してしまった場合、特定商取引法の規定に従い、契約の取り消しや解除を行いましょう。

(1)クーリングオフをする

訪問販売によって締結した売買契約・役務提供契約は、法定の契約書面の交付を受けてから8日間は、無条件で解約することが可能です(特定商取引法第9条第1項)。

まだクーリングオフ期間が過ぎていない場合には、すぐに事業者に連絡を入れて、契約を解除しましょう。

(2)その他契約の取り消し・解除

クーリングオフ以外にも、特定商取引法では、訪問販売による契約の取り消し・解除が認められる場合が規定されています。

具体的には、事業者による重要事実の不実告知・不告知があった場合には、消費者は売買契約・役務提供契約を取り消すことが可能です(特定商取引法第9条の3)。
また、過量な商品・サービスを販売する契約が締結された場合には、締結から1年以内であれば、契約を解除することができます(同法第9条の2第1項)。

これらの取り消し・解除を主張するためには、特定商取引法の規定に従い、締結された契約が取り消し・解除の対象になることを立証しなければなりません。

弁護士に相談すれば、訪問販売による勧誘の状況や、売買契約・役務提供契約の内容をふまえて、契約の取り消し・解除が認められるための法律構成を綿密に検討してもらうことができます。また、事業者との交渉や裁判手続きについても、弁護士に任せることができるので安心です。

訪問販売による押し売りなどの被害にお悩みの方は、お早めに弁護士に相談することを、おすすめします。

弁護士JP編集部
弁護士JP編集部

法的トラブルの解決につながるオリジナル記事を、弁護士監修のもとで発信している編集部です。法律の観点から様々なジャンルのお悩みをサポートしていきます。

  • こちらに掲載されている情報は、2021年04月05日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。