チケットを買ったら詐欺られた! 返金してもらう方法はある?
人気のライブやコンサートのチケットは、販売開始数分で完売してしまうことも珍しくありません。そんな中、どうしてもチケットがほしいというファン心理につけ込んで、近年増加傾向にあるのがチケット詐欺です。
本コラムでは、チケット詐欺の手口や被害に遭ったときの対処法、チケット詐欺に遭わないためのポイントについて解説します。
1. チケット詐欺の手口とは
チケット詐欺とは、主に入手困難なライブやスポーツ観戦、舞台などのチケットを売ると偽って、被害者からチケット代金をだまし取る詐欺のことです。
特徴としては、公式のチケットサイトや窓口を通さない個人間取引であること、SNSやフリマサイトといったインターネットサービスを通じて非対面で行われることが挙げられます。
よくある手口としては以下の2つに分けられます。
(1)代金を払ったのにチケットが送られてこない
チケット代金を支払ったのにもかかわらず、チケットが一向に送られてこない、チケット詐欺の典型的な手口です。
この場合、加害者はチケット代金の前払いを要求してきます。支払い方法は銀行振込以外にキャッシュレス決済やAmazonギフトカードなどの「商品券」を指定してくるケースが多いです。
(2)送られてきたチケットが偽物だった
代金を支払ってチケットは送られてきたものの、それが偽物だったという手口もよくあります。
巧妙に偽造されたチケットは偽物だと見破りにくく、会場で入場を断られて初めてだまされたことに気づくケースも少なくありません。発覚が遅くなるほど、加害者は身を隠しやすくなり、責任の追及も困難になります。
2. 被害に遭ったときの対処法とは
チケット詐欺に遭ってしまった場合、被害者としては本物のチケットを渡してもらうことまでは望まないにしても、せめて返金はしてもらいたいものです。
しかし、いくら返金の催促をしても応じてもらえない場合には、以下のような対処法をとりましょう。
(1)証拠を集める
法律にのっとって返金や処罰を求めるためには、まずチケット詐欺に遭ったことの証拠が必要です。
証拠には、以下のようなものが挙げられます。いつ、どのような理由で、いくらだまし取られたのかを示せるようにしなければなりません。
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相手の情報(氏名や住所、口座番号、SNSのアカウント情報など)
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これまでのやり取り(チャットのスクリーンショットなど)
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金銭の振込履歴(取引日時やだまし取られた金額を示すもの)
(2)内容証明郵便・被害届を出す
加害者に返金を求めるにも、また処罰を求めるにも、内容証明郵便が役立ちます。内容証明郵便とは、日本郵便株式会社が一般書留郵便についてその内容や差出日時、差出人、受取人を証明してくれるサービスです。
チケット売買契約の解除や返金を求める旨の内容を内容証明郵便で送ることで、相手方に返金を求めたことを証拠として残せます。その上で、内容証明郵便が宛先不明で届かなかったり、相手方が返金に応じようとしなかったりしても、チケット詐欺であることを間接的に示せるわけです。
個人のやり取りで解決できない場合には、警察に被害届を提出しましょう。被害届とは、犯罪被害に遭ったことを捜査機関へ伝える届け出であり、受理は捜査機関の義務です。しかし、犯罪ではない私的なトラブルだと判断されるようなケースでは、受理されないことがあります。
そのため、確実な受理を求めるのであれば、証拠をそろえ、内容証明郵便なども活用することが重要です。
(3)少額訴訟を起こす
チケット詐欺の被害金額は、通常そこまで高額にはなりません。少額の被害金額を法的手段で取り戻すためには、少額訴訟を起こすことも有効です。
少額訴訟とは、60万円以下の支払いを求めるときに使える裁判制度のことで、審理は原則1回で即日判決が下されます。また、費用も通常の訴訟に比べて安く、10万円までの請求なら申立手数料が1000円、郵便切手費用に数千円かかるだけです。
ただし、相手の居場所が分からないと少額訴訟は起こせず、審理も1度きりなので証拠を万全に準備しておく必要があります。
(4)同じ相手から詐欺被害を受けた仲間を探す
チケット詐欺は1件あたりの被害金額が低額なこともあり、警察へ駆け込んでもなかなか捜査してもらえないケースが少なくありません。しかし、同一の加害者による詐欺被害が複数件におよぶとなれば、被害額も高額になって警察が捜査する可能性が高まります。
そこでチケット詐欺の被害者仲間を探してみることは対処法として有効です。詐欺の立証がしやすくなることに加え、証拠を共有できるというメリットもあります。
加害者がSNSで詐欺を働いていたのなら、コミュニティーで被害者を探してみると見つかるかもしれません。あるいは、同じライブやコンサートなどの参加者に情報を求めてみましょう。
3. チケット詐欺に遭わないようにするには
まず、匿名性の高いインターネット上のチケット売買には不用意に手を出さず、公式のチケットサイトやトレードサイトを利用することが重要です。
事情があって個人売買を行う場合には、相手が信用できる人物か、連絡先は正しいか、過去にチケット詐欺被害に遭っている人はいないかどうかといった確認を必ず行ってください。特に銀行振込やキャッシュレス決済などを使った先払い要求がある場合には警戒しましょう。
なお、国内イベントのチケットに関しては、定価を超える価格での転売が法律(※1)で禁じられています。販売価格が高くないかを確認することで詐欺被害を予防できます。
(※1)e-Gov法令検索「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」チケット詐欺に遭って返金や加害者の処罰を求める場合には、法律の専門知識があるとスムーズに進みます。「チケット詐欺に遭ったかも…」と思ったらひとりで悩まずに早めに弁護士に相談してみるとよいでしょう。
- こちらに掲載されている情報は、2024年08月17日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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