占いで詐欺に遭った…弁護士に相談したら返金してもらえる？
弁護士JP編集部
占い詐欺とは、占い名目で利用者を集め、期待感や不安をあおり、高額なサイト利用料や鑑定料を請求する詐欺の手口です。仕事や恋愛などがうまくいかず、悩みを抱えている方が占い詐欺の被害に遭いやすいので、具体的な占い詐欺の手口を理解して、しっかりと対策しておくことが大切です。
本コラムでは、占い詐欺の手口や占い詐欺被害に遭った場合の対処法などを解説します。
1. これって詐欺？ 占い詐欺のよくある手法とは
占い詐欺にはどのような手口があるのでしょうか。以下では、占い詐欺のよくある手口を紹介します。
（1）無料占いから有料会員に誘導してくる
占い詐欺は、最初は無料占いを餌にして利用者を集め、その後有料会員登録へと誘導してきます。
- 宝くじの高額当選ができる
- 運命の相手に出会うことができる
- 仕事の悩みを解決できる
など利用者が興味を抱く内容を伝えて、巧みに有料会員に登録させようとするのが特徴です。
（2）何度も有料のやり取りを続けさせる
占い詐欺のサイトでは、ポイントを購入してメッセージのやり取りを行います。運営者側としては、より多くのメッセージのやり取りを行ってくれた方が利益が増えるので、すぐに鑑定結果を出さずに、何度もやり取りを続けてきます。
- 「頭に思い浮かんだ10桁の数字を1文字ずつ送ってください」
- 「運気を高めるには○○と繰り返し送る必要があります」
など意味のない文言をメールで送るよう求めてくるサイトには注意が必要です。
（3）やめようとすると「続けないと運気が下がる」と不安にさせる
占い詐欺のサイトでは、途中で有料会員を退会しようとしても、すぐにはやめさせてくれません。
- 続けないと運気が下がってしまう
- 今やめてしまうとこれまでのことがすべて無駄になる
- あと少しで願いがかなう
などと引き留めてきた場合には占い詐欺の可能性が高いでしょう。
（4）誰にでも当てはまることを言って信じ込ませる
鑑定結果がまったく当てはまらない内容であれば、占いサイトの利用を続けてもらえません。そこで、占い詐欺のサイトでは、誰にでも当てはまるような内容を言うことで、利用者に「すごい占い師だ！」と信じ込ませようとします。
占いサイトに熱中している本人ではなかなか気づけないかもしれませんが、冷静になってみれば当たり前のことしか言われていないことに気づくでしょう。
2. どうすれば返金してもらえる？
占い詐欺の被害に遭った場合、どうすればお金を取り戻すことができるのでしょうか。以下では、占い詐欺で返金が可能なケースとその方法について説明します。
（1）占い詐欺で返金が可能なケース
占い詐欺で返金が可能なケースとしては、以下の2つのケースが挙げられます。
①クーリングオフできる場合
訪問販売や電話勧誘販売という手法により占い詐欺の被害に遭った場合には、クーリングオフという制度を利用することで返金を受けることが可能です。
クーリングオフとは、一定期間内であれば、消費者側から無条件に契約を解除することができる制度です。不意打ち的な契約類型では、消費者が契約の必要性を後から冷静に判断できるようクーリングオフ制度が設けられています。
具体的には、訪問販売や電話勧誘販売であれば、法定書面を受け取った日を含めて8日以内であればクーリングオフにより契約を解除することができます。
②詐欺に該当する場合
一般的な占いサイトによる詐欺被害に遭った場合には、クーリングオフは適用されません。しかし、クーリングオフが適用されない場合でも民法上の詐欺に該当する場合には、契約を取り消して、支払ったお金の返金を求めることが可能です。
たとえば、鑑定士が実在しないにもかかわらず、鑑定士による占いと称して利用料を支払わせていたようなケースであれば、詐欺を利用に契約を取り消せる可能性があります。
（2）返金してもらう方法
占い詐欺被害に遭った場合、以下のような方法で返金をしてもらうことができます。
①振込先銀行、クレジットカード会社、加害者に返金を請求する
クーリングオフによる解除または詐欺による取り消しが認められた場合、占い詐欺サイトの運営者に対して、返金を求めることができます。
また、銀行振り込みにより利用料金などを支払っていた場合には、振り込め詐欺救済法に基づいてお金が振り込まれた口座を金融機関が凍結することができます。これにより占い詐欺サイトの運営者により、だまされたお金が引き出されるのを防ぐことができます。
クレジットカードによる決済で利用料の支払いをしていた場合には、チャージバックという制度を利用することで返金を求めることもできます。チャージバックが適用されれば、カードを利用した代金の計上が取り消されますので、利用者が代金の支払いをする必要はありません。
②弁護士からの内容証明郵便・交渉で返金を請求する
加害者に対して返金を請求する場合、まずは内容証明郵便を送り、相手との交渉で返金を求めていきます。個人でも対応可能ですが、誠実に対応してくれない可能性もありますので、弁護士に依頼して行うのがおすすめです。
③裁判を起こす
相手との交渉では返金に応じてくれないときは、裁判所に訴訟を提起する必要があります。
裁判では被害者の側が、占い詐欺でだまされたことや占い詐欺の違法性を主張立証していかなければなりません。一般の方では適切に対応するのが難しいといえますので、裁判の対応は弁護士に任せるのが安心です。
3. 占い詐欺に遭ったら、弁護士に相談を
占い詐欺の被害に遭ったらすぐに弁護士に相談するようにしましょう。
（1）占いサイトが詐欺にあたるか判断できる
占いサイトのすべてが詐欺サイトというわけではありません。占い詐欺のサイトであるかどうかを見極めるには、いくつかのポイントがありますが、一般の方では適切に判断するのは困難です。
弁護士であれば詐欺サイトの見極めのポイントを熟知していますので、利用している占いサイトが詐欺であるかを正確に判断してもらうことができます。
（2）返金を求める方法をアドバイスできる
占い詐欺サイトである場合には、すぐに利用をやめて、サイトの運営者に対して返金を求めていく必要があります。どのような法律構成により返金を求めていくかは、具体的な事案によって異なりますので、適切な方法を選択するためにも弁護士のアドバイスが不可欠です。
早期に弁護士に相談すれば、選択できる方法の幅も広がりますので、詐欺に気付いたときはすぐに弁護士に相談するようにしましょう。
（3）被害者に変わって法的措置をとることができる
詐欺サイトの運営者が素直に返金に応じてくれないときは、裁判などの法的措置を利用する必要があります。一般の方では、このような措置を行うのは非常に困難ですので、自分で対応するのではなく早めに弁護士に相談するようにしましょう。
- こちらに掲載されている情報は、2024年08月10日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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